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実はこういったことに対しては、日本だけでなく海外の企業も当然考えておりますし、あるいは半官半民のようなセクターでも考えているわけであります。ここ(図46)に国際ターミナルオペレーター別コンテナ取扱量ということで、香港、シンガポール、ブレーメン、シドニーと書いてございます。このように全世界的に見て取り扱いの大きなターミナル事業者は、それぞれの国、地域の拠点港での取り扱いだけでなく海外にそのノウハウを持って進出するというのが、まさしく今の動きでございます。例えばシドニーのP&O Portsの場合には海外13カ国に進出しているというようなデータもございます。香港あるいはシンガポールのターミナルオペレーターも同様な動きをしているということでございます。ご当地、北九州港におかれましてもこのような海外からのオペレーター進出のお話があるということを承っておりますが、まさしく海外のこういった事業者からみれば、アジアの生産拠点の港の管理をするだけではなくて、受け手側の日本にも進出してくる。あるいは、ほかのアジアにも進出するということで、トータルのネットワークの中で自分たちのステータスを拡大していく、あるいは、それぞれの国のマーケットが限られている中で、次の展開を図るうえでより新しいマーケットに進出していく、といったことを考えているのではないかと思うわけでございます。

次に、こういった海外とのつながりが進んでいく中で、注目すべきことは先ほどのサプライチェーンマネジメントもそうなんですけど、その情報のやり取りのフォーマットの標準化が進んでいるということでございます(図47)。ここにUN/EDIFACTという国連が決めた世界標準のメッセージについて書かせていただいておりますけれども、要は先ほどの国を越えたサプライチェーンマネジメントを考える場合に、例えば日本の企業の場合、進出した先の現地法人、海外子会社と日本の親会社の間の情報伝達であれば、これはある意味で国内取引と同じように社内システムで一元管理できます。ところが、海外のサプライヤーとつないでいくということを考えた場合には、当然、国によって帳票伝票が違うわけですので、そう簡単にサプライチェーンマネジメントで一体的に管理するといっても実際には難しいわけです。しかし、国連が提唱しているメッセージの標準化が進めば、同じルールの下に異なる国々の企業がデータ交換をするようになってまいりますので、これはまさしく国内企業あるいは自社の海外現地法人との間のやり取りと同じような、情報の伝達が可能になってくるということでございます。ここで、CARGO 2000ということで航空の方の例も少し書かせていただいていますが、このように標準化が進むと、先ほど申しましたようにコンペティターは国内の同業他社だけではなくて、海外の企業がライバルになって登場してくるということでございます。

これまで日本の場合には、ここにございますように(図48)、省庁名は以前の名称になっており恐縮でございますが、いろいろなドキュメンテイションのやり取りが紙ベースで行われているわけでございますが、これからIT革命によって行政でも電子化が進もうとしています。

 

 

 

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