日本財団 図書館


従いまして物流事業ということではなく、物流に係わるコーディネイター、あるいはコンサルタント、そういった意味合いがこの3PL、サードパーティロジスティクスの意味合いとしては、特にアメリカでの使い方を考えますと、重要だと思っております。実運送に付加価値をつける、といったことでこの3PLという言葉を使わせていただいております。

次(図43)にそういった意味で、ロジスティクスの分析とかコンサルティング、あるいは運行計画案等、要はどこに各社が重きを置くのかということでございます。例えば一切自社で輸送機器を持っていなければ、コンサルティングに特化するというような生き方もあるでしょうし、先ほどのフリッツのようにあくまでも自社は情報ネットワークを利用して、他の会社の機器、サービスを組み合わせてトータルの物流を提案するというような生き方もあるでしょう。ということで、まさしく企業がどこからアプローチしていくか、これは各企業の優位性がどこにあるのかによって違うわけでございます。

また、ここでファイナンシングと書いてありますが、例えば会計管理、国際間での支払い業務、そういったものを中心に行う3PLというのもあります。先ほども申しましたようにサプライチェーンマネジメントがお金の流れも含めたトータルの供給側の連鎖経営であるとすれば、このファイナンシングは重要でありますし、あるいは通関代行ということから発展させていくということもあろうかと思うわけでございまして、こういった一連の業務項目の中でどのようなアプローチをしていくかというのが各社のまさに腕の見せ所である、とこのように考えております。

このような形で(図44)、ここでは決定プロセスというのを細かく記述していますけれども、要は、私ども最近、船会社の方、あるいはトラック事業者の方、倉庫会社の方のお話をお伺いしますと、今の時代、本業はこれだけですということになると、あくまでもその範囲のビジネスしか出来ないということで、本業に軸足を置きながら、次の展開、広がりをどのように持たせていくのかといったことを皆さん、真剣にお考えになられていらっしゃるわけでございます。今日お集まりの皆様方もまさに同じ状況だと思うわけでございますが、そういった中でこのような物流を変える仕組みづくりに取りかかる時に、先ほど申しましたような全体のチェーンの中での自社の位置付け、あるいはITの活用、このあたりがポイントだろうと思います。

次(図45)にロジスティクスチェーンと記述しておりますが、難しいのは先ほど冒頭で申しましたように、まさしく今、ビジネスはボーダレスでございますので、ビジネスを日本の国内だけで考える時代ではなくなってしまったということでございます。ここに海外、日本と書いてございますが、モノの流れ、情報の流れを日本への輸入を例にして書いてございます。こういった供給側の連鎖の中で、どういったところに自社のポジションを置くのかといったことを考え、最終的にはやはりトータルでサービスを提供していく。1社で無理な場合にはパートナー企業を見つけて最適化を図っていくといったことが、まさに今の時代に要請されていることではないかと思うわけでございます。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION