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物流といったものが、サプライチェーンマネジメントの中で、どう位置づけられるかといったことですが(図30)、先ほども申しましたように部品等の供給者、サプライヤーと顧客、これを結ぶ一連の連鎖がサプライチェーンマネジメントであると申しましたが、その中で資材調達、購買、生産、販売というような形での流れがあるわけでございます。当然、この中で例えばサプライヤーと工場をつなぐところ、ここで輸送、在庫管理といったものが発生いたしますし、また生産工場から販売会社、販社への引渡しのところでも輸送及び流通在庫管理といったものが当然発生するわけでございます。これを注文べース、オーダー単位で計画を再調整していく。すなわち、先ほどダイナミックな調整といったことを申しましたが、頻繁に変わる、このオーダーの変更に対してダイナミックにオーダー単位で計画の再調整をいかに行うかが、特に輸送全体のサプライチェーンの中では重要になってきます。

ここにございますように(図31)、物流というのはまさに企業間の情報共有ネットを作っていく。これが例えば物流会社の場合には、いかに自社が主導的に生産と販売を結ぶ、この一連のチェーンの中で優位なポジションニングを得ることが出来るかどうか。これによってサプライチェーンの完成度が高まるということです。特に先端ITによるサプライチェーンマネジメントと書いていますが、先ほども申しましたようにこの企業間情報共有ネットワークをどう作るかということがポイントになってくるわけでございます。

これはある海外の例でございますが(図32)、インターネットのオープンなシステム、あるいはヨーロッパでは付加価値通信、VANといっているものが、まだかなり力がありますが、こういった企業間のネットワークの中で、そこに登場するのが、例えば金融機関もありますし、先ほども申しましたようにモノの流れだけではなく、情報の流れ、お金の流れということで申しますと、このネットワークの構成要素の中に金融機関もございますし、あるいは一連の物流の中で官公庁といったものも当然出てきます。また、物流会社、それから親企業、子会社、事業者、こういった一連のプレイヤーがいるわけでございますが、こういった方々をどううまくつないでいくのか、それも大企業、中規模企業、小企業とそれぞれ、例えばサプライヤーまで含めますと、さまざまな規模の企業もあるわけでございますので、これらをどうつないでいくのか。この成否はまさしくSCM(サプライチェーンマネジメント)の成否につながってくるということでございます。

それでは、そういった中で最後に物流革命による新しい事業機会の創出につきまして、ご説明をさせていただきます。

 

 

 

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