日本財団 図書館


それから、第2の特徴としまして、IT革命とはデジタル化革命であるということでございます(図16)。すなわち今までのアナログからゼロと1に代表されますデジタルに代わっていくことによりまして、例えばブローシャア(企業パンフレット)ですとか、カタログ、社内文書、出版網、広告、こういった、今までは紙ベースでやり取りされていたものが、すべてデジタル情報に置き換わり、先ほどのネットワークにのせることによって、瞬時に多数の人々に配信することが出来る、といったことになるわけでございます。ここにB to B、B to Gとか入っていますが、例えばこれまでであれば、文書をそれぞれ社内に回覧しなければいけないといったことが、もうすでに皆様方の企業内でも常識だと思いますが、電子メールによって瞬時に全員に情報を配信することが出来る。あるいは新しい商品情報をお客様に瞬時に配信することが出来る。これは今申しましたように、まさに紙ベースのものをデジタル情報に置き換えることによって、より効率的な情報伝達の方法が確立された、ということが大きな第二の要素であろうと、このように考えております。

第3点としまして、IT革命はスピードの革命であるということでございます(図17)。ここには、外国人の名前がいくつかあがっていますが1980年から2010年まで、処理速度が1980年を基準にして1から1万倍、10万倍、100万倍と記載していますが、たとえばムーアの法則といったものがITの社会でよく言われておりまして、半導体の集積度は18ヶ月でそれまでの2倍の性能に向上する。あるいはギルダーの法則というものがありまして、10年間でコンピューターの処理速度は100倍、通信帯域幅は1000倍以上になるということです。この前、ある大手コンピューターメーカーの方とお話したのですが、2000年時点でもまさにこの法則は生きているということでございまして、これからも処理速度は、加速度的に進化していくということでした。これは何を意味しているかと申しますと、ハードのベースでは著しい処理速度の進展がこれからも続くということでございまして、それによって従来以上にスピード化を図ることが出来るということです。演算速度のスピード化といったものは、これから特に物流の面でも、サプライチェーンマネジメントの面でも非常に大きな意味を持ってくると思われます。

このような形でIT革命が実はサプライチェーンマネジメントを考える上で、非常に重要なポイントになってくるということでございますが、実際に、サプライチェーンマネジメントの推進によって物流システムにどのような影響が起こりうるのかといったことにつきまして、ご説明をさせていただきます。

繰り返しになりますが、製品の多品種化と製品ライフサイクルの短縮化(図19)、これは20年来一貫して起こってきているわけでございます。そして市場の変化が速い、価格競争が激しさを増す、すなわち半年前の価格ではもうモノが売れない、というのが当たり前の社会になってきております。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION