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IT革命ということで政府も含めて、皆さん大合唱されておりますが、何がそんなにすごいのかということにつきまして、ここで大きく3つに分けて整理したいと思います。

1つがIT革命はネットワークの革命であるということであります(図12)。ここでは、既存のネットワークとIT革命、サイバーネットワークという形で整理していますが、まずインターネットに代表されるIT革命といったものは、今までのクローズド、閉鎖的なシステムからオープンなシステムに移行しようとしている。あるいは情報の伝達も片方向だったものを双方向にアクセスできるようにしようとしている。あるいは、個々の単位が今までの組織、あるいは企業という単位から個人個人の単位でのネットワークが進もうとしている。それから今までは集中管理だったのが分散であるということで、概念上整理しますと、かなり今までの論理とは違った新しいものの考え方が、まさにこのIT革命によって非常にポピュラーなものになってきているといったことが、まず第1点であります。

それから、特にネットワークの話をするときには、ここにございますようにIPネットワーク(インターネットプロトコルネットワーク)によって、パソコン、サーバー、モバイルなどが全部つながるようになってきている、といった特徴がございます(図13)。すなわち、スタンドアローン型の個々の機器が、このIT革命によってつながる。つながるということは先ほど申しましたように、まさしくサプライチェーンマネジメントにとって非常に重要なことでございまして、異なる組織、あるいは異なる企業また国々、そういったものがあたかも、ひとつのネットワークの中にすべてつながるような環境が、このIT革命によって、これまで以上に可能になってきているということでございます。

ここでもラテン語で、日本ではなじみが薄いと思いますが、ユビキタス・ネットワークという言葉が記述されております(図14)。要するに今まで偏在していたものをつなぐ、そういった意味でございますが、これからの時代は、パソコンあるいはサーバー、モバイルだけでなく、例えば情報家電、ビデオゲーム、携帯電話などが、皆つながっていくことによって、これまで以上にネットワーク社会が現実のものになっていくということでございます。

この情報技術とデジタル化については(図15)、これまでと違いまして、情報を提示する、情報を交換するといった方向に、いろいろな機器が出来てくるということでございます。先ほど申しましたように今までであれば、容量不足であり、大容量データを双方向でつなぐといったことは不可能であったわけですが、IT革命によって、こういった先端的な機器、システムが出来てまいりますと、これまで以上に膨大な情報のやり取りをネットワーク上で行うということが可能になるといったことが、IT革命の第1の特徴でございます。

 

 

 

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