日本財団 図書館


私は子供が5年生と3年生なんですけれども、私と同じ世代の母親がどういうことを考えているかと申しますと、住宅地には豊かな自然も失われて、さらにあまりにも豊かになり子供の忍耐を養う場面も少なくなりつつある時代に、やはり体験型の学習や社会性を養う上での旅行行動みたいなものが今後でてくるかなと思ったりしております。子供数は減少していますが、1人の子供だからこそ、豊かにお金をかけていこうという傾向が出ているのではないでしょうか。

ですから、家族での体験型旅行、社会性余暇、自分も楽しみつつどこかの海岸をきれいにし、何かを学ぶといった社会性余暇欲求を充足させるような旅行等、新しい旅行商品等を出すことによって今後のサービス消費があがる可能性はあると考えます。

29ページ以降がニューフィフティーズの消費行動。これについてはご説明をしている時間もないと思いますので、のちほどご覧ください。

32ページ、夫婦の交友関係ということで掲載させていただいたのですが、日本には従来、夫婦のペア文化がなかったわけです。夫にとっては会社を辞めた後、妻が唯一の遊び相手なんですが、映画やショッピング、外食、国内旅行すべてで、男性は全部夫婦2人でいきたいというのがトップになっているのですけれども、女性は友人とか、1人でとかというのが多くなっており、妻にとって夫は選択肢の1つでしかない。

それ以降にもいろいろデータをお付けしたんですけれども、そろそろ時間もきてしまいましたので、最後に、まとめに入らせていただきたいと思います。

まず、高齢者の基本ニーズというのは、真中にお書きしました4つに収束できます。高齢者というのはある日突然高齢者になるわけではございません。徐々に年齢を重ねていって、かつ年齢的自覚のない存在です。その人達にとって一番大事なことは何かというと、普通の生活を継続することです。昨日までの生活と同じペースで明日以降も生活していく。若干の虚弱や障害と付き合いながら、生涯をすごしていくということで、普通の生活をどう担保できるか。

次に健康を守ることに対する欲求は非常に大きい。働くことに対しても、欧米諸国と比較しても収入目的プラス生きがい、健康増進ということで、非常に意欲旺盛です。高齢者の単身や夫婦のみ世帯が増える中で、家の中に閉じこもらず外に出て、社会的な交流、これを機会財といいますけれど、交流の機会を提供していけるか、これが上の健康を守ることにもつながりますし、普通の生活を継続することにもつながっていくわけです。

一番左側に、住まう、働く、余暇、交わる、家族、コミュニケーションというキーワードだけを抜き出してみました。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION