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24ページがシルバー世代の海外旅行者数の推移です。ここ3年くらい、景気がダウンしてからのデータがないのですが、平成10年の数字でみれば、60歳以上の女性の伸び率、下から2行目の数字ですけれども、全世代平均が141%に比べて、60歳以上の女性が163%位、20%以上も全世代平均に比べて伸びている。航空に関する調査等をみても、航空需要を牽引しているのはやはり50代の女性です。子育てが終わって、少し収入的にも余裕が出てきた世代の女性が、友達同士で、気のあった仲間たちと海外に出かけている、この比率が高くなっています。

28ページです。少し少子化のこともお話しなくてはいけませんので、少子化のグラフをお付けしました。少子化は今に始まったことではなく、戦後のベビーブームの直後以降、少子化傾向が続いています。谷が2つありまして、皆さんがご存知のように団塊の世代が生まれた直後に1つ目の谷がきまして、そして2つ目の谷がここ10年くらいです。しかし、1つと2つ目の谷というのは、全然性格が違い、1つ目の谷は有配偶出生率の低下です。つまり、結婚をした人が産まなくなった時代で、今回の谷は、結婚しない人が増えた、遅く結婚して1人しか産まない人が増えたことによる少子化です。戦争が終わって豊かになった時代には子供を豊かに育てたい、いい会社に就職させて一生を安定させるためには教育をつけなければいけない、昔は子供は一家の稼ぎ手だったわけですけれども、豊かに育てるために子供は消費者になってしまった。つまり、子供を産むことによる経済的合理性がなくなってしまったのです。妻は2人程度の子供を産み、教育をつけて大事に育てていく時代、乳児死亡率も戦争が終わって、衛生状態も良くなって改善されたので、子供数を減らしても安心できる時代でした。

最近の少子化というのは、非婚と晩婚が原因と言われています。一生結婚しない人や遅く結婚してひとりしか生まない人が増えたのです。現在の初婚年齢は女性27歳、男性29歳です。東京都のデータでみると、30代の前半の男性の5人に3人が未婚、20代後半の女性の3人に2人が未婚です。遅く結婚したために、年齢が高くなって子供を持つことに対する抵抗があり、1人しか産まないとか、自分のキャリア追求のためや自分の人生を楽しむために子供を持たない選択をした人も増えている。理想の子供数を産まない理由というのが、一番経済的に困難、子供に金がかかる、教育費に金がかかる。次の健康や住宅問題がきています。

ここ数年みてもやはり親の収入のダウンで子供の教育費、習い事の数は減っていますし、教育費の減少というのは一時的には生じています。しかし今の子供というのは母親・父親だけではなく、シックスポケットと称する、つまり、両親双方のおじいちゃん、おばあちゃんたちからもお小遣いをもらい、非常に豊かに育っている世代です。

 

 

 

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