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障害ということについては、それに対する偏見みたいなものが社会に根強いのです。障害に対する偏見、無理解が多く、例えば車椅子でも手動であるか、電動であるかによって全く必要とされるスペース違いますし、車椅子でトイレまでは行って、そこから歩けるのかとか、全く車椅子を降りることが出来ないのかによって、介助も全く異なってくるわけで、非常に個別性が強い。あまりにも今の日本の社会のでは、バリアフリーを進めていく上で障害者の姿が画一化、ひとつの像に集約して考えられていることが多いような気がします。視覚障害者のほとんどが弱視です。視覚障害者イコール全盲ということではないので、弱視の方への配慮としては、点字ブロックではなく、文字を大きくするとか、色弱の方に関してはコントラストをはっきりするとか、そういう配慮が必要ですが、全て視覚障害者イコール全盲というふうにとらえられた配慮がすすんでいるような気がいたします。

12ページは高齢化速度の国際比較、これはいろいろ言われていることなので、説明は割愛したいと思います。日本はわずか24年で7%から14%の比率になった。他の国々というのはゆっくり、ゆっくり階段を登ってきているわけですから、それに対する準備もゆっくりで良かったわけです。日本は2005年の時点でもう2割ですけれども、どの国よりもはるかに高い水準になって、高齢者数自体も多いということです。

13ページは高齢者世帯における平均所得で、高齢者世帯の平均所得は330万円くらいです。「月30万というと結構厳しいね」という印象をお持ちの方も多いでしょうが、低所得者割合は年金が充実してきたことによって経年的にみれば減少はしています。しかし年金だけの世帯が全体の6割です。生命保険文化センターの調査では、夫婦2人でぎりぎりの生活には37万円必要だけれども、ゆとりある生活をするためには大体43万くらい必要とされています。一般世帯の平均はそこに書いてありますように660万なんですけれども、高齢者世帯は教育ローンも車のローンも住宅ローンもほぼ終わってますので、私たちの世代よりはゆとりある状況です。しかし、格差が大きいということは先ほど冒頭に申し上げたとおりです。

15ページ以降で、高齢者の移動について少しご説明をしております。皆さんもうよくご存知と思いますけれども、ここ10年間でパーソントリップ調査の変化をみますと、若者というのはあまり動かなくなっています。JTBの人に伺いますと、スキーやキャンプ、ゴルフといった準備や大掛かりな装備・支度を必要とする旅行行動は敬遠するそうです。コンビニの前でジベタリアンしている人達が増えてるわけで、このように、若者は動かないのですが、高齢者は非常にトリップ数が増加しており、就業、買い物、娯楽の私事目的、いずれも高齢者は活発に動いております。

 

 

 

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