管内の内航海運事業者は、個人事業者を含めた資本金1千万円未満の事業者が内航運送業で27%、内航船舶貸渡業では61%にも達し、また、支配船腹量別でみても、2,000総トン未満の事業者が71%を占めており、全国に比して零細事業者の割合が多くなっている。なお、管内の許可事業者数の推移をみると、内航運送業者及び、内航船舶貸渡業者は減少傾向を示している。
また、内航海運業界においては、内需低迷による荷動きの減少に加え、大手荷主企業の合併や業務提携により貨物の輸送量が減少している。
こうした中、平成10年5月に導入された内航海運暫定措置事業は、一定の納付金を支払えば船舶を自由に建造することが可能となった。さらに解撤交付金を交付することにより、船舶の解撤が進み過剰船腹の解消に効果があらわれており、貨物船は概ね均衡状態にあります。油送船についても過剰量は若干減少しています。
近年、トラック輸送による道路混雑、環境問題等が深刻化する中で、幹線貨物輸送の分野でトラックから効率的な大量輸送機関である船舶や鉄道へ転換する「モーダルシフト」の社会的要請が高まっており、内航海運の重要性があらためて認識されている。
管内の内航船に対する輸送需要は、平成3年度に1億9,800万トンを記録したが、その後の景気後退で著しく減少している。
九州を発・着地とする内航海運の平成11年度の輸送量は、18,470万トン(発量10,838万トン、着量7,632万トン)となっている。
これら貨物の品目別内訳は、九州の産業構造の特色から、石灰石、セメント、鉄鋼等の素材生産部門の貨物が主要となっている。
平成11年度の輸送量を前年と比較してみると、全体的には微増傾向となっている。