一次的損傷とは脳動脈瘤破裂とか、頭を殴打することで損傷を最初に受けるものであります。二次的損傷とはそれらに続発する腫れであったり、出血がおこるものです。一次的損傷、起きてしまったものはどうしょうもない。そこで二次的損傷をなるべく軽減するというのが有効な処置となります。実際としましては、患者さんを無理に動かさない、安静にしてもらうということが大切です。脳の損傷というのは一次損傷が軽微であれば、二次的損傷は徐々におこってくるから、それをなるべく早期発見していただき、安静にして病院にかかることが大切です。特に子供さんの場合は、頭を打って病院に来られたときは、異常を指摘できないことがよくあります。一見どういうこともないわけですね、子供ですからまた暴れたりして、それが二次的損傷をだんだん起こし、浮腫とか血腫がでてきますと、頭痛や吐き気、または物が二重に見えたりするような症状がでてきます(図10)。

図10
手足のしびれだったり、痙攣だったり、こういうような兆候を早めにとらえるということが、二次的損傷がおこっていることを察知することになりますし、早期予防にもつなげられるということで、大切なことです。
ここで通報の手順ですが、皆さんご存知だと思います。医療に関しては、通報の中で最初はどういう状態であったか、それがどう変化していったか言って下さい。医療的に判断する上で大切だということをわかっていただきたいと思います(図11)。

図11
また、どんな持病があり常服薬は何か、どういう応急手当を行ったかということも教えていただきたいと思います。
次に止血法です。多くの場合は直接出血している傷にガーゼ等を当て、手を用いて圧迫し止血します(図12)。

図12
ガーゼがなければハンカチ等で傷を押さえ、圧迫することによって止血ができます。これは拍動する噴き出すような動脈性の出血でも圧迫止血できます。それでも止血できない場合は、出血創の中枢側の上腕や大腿を縛ります。止血帯法といいまして棒を絡ませ、棒をぐるぐる回して締めて阻血していく方法を取ります。ただし、これを行いますと、末梢の方に血が通わなくなりますので、何時何分にこういう止血をしたと、縛ったところに書き記して下さい。というのは、血液がいかなくなりますと、組織が死んでしまいますので、それを予防していかなければなりません。医療機関にたどり着くのに時間がかかる時は、30分毎に阻血を解放し末梢に血液を再環流させます。1〜2分解放すると色調が戻ってきます、これを確認し再び阻血し止血を行なうことを繰り返して下さい。解放している間は直接圧迫にて止血をし、出血量を極力抑えて下さい。
続きましては、外傷で多い骨折です(図13)。

図13
骨折には閉鎖性骨折と開放性骨折があります。
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