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風師山コースも同じ位時間がかかるが、眺望は絶景である。関門海峡が一目瞭然であるのみならず、周防灘(すおうなだ)、下関の向こうの響灘(ひびきなだ)まで手に取るように見える。門司港、下関の市街、関門橋は言うに及ばずである。海峡を行き交う多くの船の船影が楽しい。大・中・小、旅客船、貨物船、コンテナ船、タンカー、タグボート、渡船等々がゆったり揺蕩ふ。時間があれば、一日中でも眺めていたい、そんな気がする風景である。次に、小森江コースである。小森江は作家の林芙美子氏の生誕の地と聞いている。西鉄バスの小森江バス停から山側に登ったところに記念碑があるようであるが、筆者はまだ訪れていない。このコースは国道三号線沿いで、自動車の通行量がかなり多い道である。山がずっとせり出してきており、上も下も傾斜地。傾斜地の下の海岸寄りの狭い所に、JR鹿児島線と国道一九九号線が走っている。三号線は、つづら折のカーブが続く道であり、関門橋、岸壁の船、港湾合同庁舎等が見えては隠れ、また突然別の方向に出現するという(勿論錯覚にすぎないのだが)不思議な、しかし楽しい道である。これは、道が山裾に沿って大きく湾曲して作られているからであろう。途中、葛付近は道の上下の傾斜が比較的緩やかで、多くの住宅が立ち並んでいる。葛付近の約一キロに及ぶ、住宅地の街路は古い家が立ち並び、歴史を感じさせる魅力的な町並みである。

散歩を毎日の習慣となさっている方は、当北九州庁舎にも多いようである。運動不足解消、健康のため散歩は効果が高いとされているが、筆者も同感である。継続的に散歩を行えば、減量にもなります(筆者も経験しました)。これから先、時候も良くなりますので、皆さんも昼休みの散歩を楽しんでみませんか。

読書もまた半趣味の一つである。土日に時間があれば、特に何の目的も無く、本屋か図書館で本を眺めながら過ごす、そんな生活をしている。特にジャンルは問わない乱読であるが、面白いものを基準にしているので、推理小説、冒険小説等を文庫で読むことになる。クリスティー、クイーン、クロフツなどを読んでいる。クリスティーの短編は特に良い。何度読んでも、鮮やかな書き振りと、人間に対する深い洞察が感じられる。その他、歴史文学も好きである。宮城谷昌光氏の「晏子」など中国の春秋戦国もの、塩野七生さんの「ローマ人の物語」等である。特に後者は、紀元前に地中海世界に覇権を樹立したローマ帝国を時代毎に区分して記述した、スケールの大きな歴史書である。カエサル等の英雄や戦乱について詳しいだけでなく、創業、守成といった帝国経営の困難さ、当時の経済状況等についても、史料に当たって丹念に記述しており、労作です。機会があれば、御一読をお奨めする次第です。

音楽、鉄道にいてはまた別の機会に譲ります。

趣味は人生を豊かにしてくれるといいますが、そのとおりだと思います。先達はどこにでもいます。皆さんも意欲をもっていろんな趣味にチャレンジしてみませんか。

 

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甲宗八幡神社

 

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めかりの石碑

 

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風師山展望台より関門海峡を望む

 

 

 

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