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また、久大・豊肥両本線と日田彦山線についても、都市間及び県内の主要地域を結ぶ重要な公共交通機関であり、路線バス同様、通勤・通学の主要手段として利用されており、列車の増便や快適性の向上等、利便性の向上に努めている。

新幹線鉄道については、大阪市を起点にして四国を通り大分市に至る四国新幹線、福岡市を起点として北九州市、大分市、宮崎市を通り鹿児島市に至る東九州新幹線、および大分市を起点として熊本市に至る九州横断新幹線が基本計画線として位置づけられている。また、軌道間可変区間を低速走行することにより、車両の左右間隔をゲージに合わせて自動的に変換できる軌間可変電車(フリーゲージトレイン)の導入実現に向けて平成11年度から行われている「新幹線直通運転化事業調査」の対象路線に日豊本線が選定されている。

 

3 大分県の観光状況について

 

(1) 概況

 

大分は8世紀前半に編纂された「豊後国風土記」の中で「豊国(とよのくに)」と呼ばれている。その名の示すとおり本県には観光資源が豊富にあり、別府、湯布院をはじめとする日本一の温泉湧出量と泉質を誇る多数の温泉地、九州本土で最高峰のくじゅう連山、国宝である宇佐神宮、富貴寺などの史跡、他にも国東半島のどぶろく祭りなど地域独特の祭りや多くのイベントがある。

そのため、全国的に国内観光旅行が横ばい状態の中にあって本県では、平成10年度観光総客数は4956万人と対前年度比率にして101.6%と平成5年度以来上昇傾向にある。発地別に見ると観光総客数の75%を九州域内の旅行者が占めており、いわゆる「安」「近」「短」の旅行傾向が見て取れる。また、外国人観光客数は24万1256人であり、宿泊者数は13万2161人となっている。そのうち台湾からの宿泊観光客は約50%を占めている。

 

観光客数及び消費額の推移

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(2) 振興策

 

本県においては、地域の自然・文化・人々との交流を楽しむグリーンツーリズム・ブルーツーリズムの推進や2002年ワールドカップサッカー大分開催など魅力ある情報の発信を行うとともに、観光と交流を一体のものとしてとらえ、単なるサイトシーイング的な観光だけでなく、スポーツ・文化・学術などを通じた、大会を含めた広範な観光振興を進めることにより、地域の活性化と「交流人口」の増大につながる振興策を検討している。

このほか、観光案内標識やトイレ、駐車場等観光基盤の整備に加え、ホテル、観光施設等の若手経営者等の資質向上やボランティアガイドの育成など観光を支える人づくりを推進するとともに、インターネットの活用等の観光情報の提供機能の充実など観光客の受入体制の整備を図っている。また、官民一体となった誘客宣伝活動や自由時間関連産業の育成を促進する。

 

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ワールドカップサッカーの大分会場となる「ビッグアイ」

 

 

 

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