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そのために、荷主さんが期待するようないろんな商品をどうやって開発していくか。そういう当事者としての努力が、まずは必要であるということは、昨年、一昨年、名古屋あるいは近畿で開催された、このシンポジウムの結論の第一でもありました。これは、どの地域であっても、同じような結論が出てくると思います。そういう中で、JR貨物さんとしてもすごく努力はしておられると思います。ただ、意外と通運業者さんはご存知だが、荷主さんは、あまり、よく理解していないこともあるんじゃないかという気がいたします。そのためには、JR貨物さんあるいは通運業者さんの販促活動と申しますか、自分達はこういう商品を持っているんだと、どうぞ、これを使ってみませんかという、販促活動をもっと積極的に展開する必要があると思います。もちろん、いろいろ努力はやっておられるとは思いますが、意外と知られていない面も多いのではないか。そのためには、販促活動というのは、直接の当事者である荷主さんとか、通運業者さんなどの関係団体だけじゃなくて、もう少し、一般社会というか、世間に対して、JR貨物さんの存在意義とか、鉄道貨物輸送の必要性、効用などをアピールする必要があるんじゃないかと私は思います。このシンポジウムが始まる前に高中支社長さんにお聞きしたんですが、私は、JR貨物さんがTVでコマーシャルやってることを知りませんでした。多分皆さん方もあまり見たことないんじゃないかと思います。深夜にやっておられるそうです。経費もかかることとは思いますが、JR貨物さんの存在とその役割を広く世間にアピールし、社会的な認知度を高めるというのは、絶対必要だと思います。例えば、九州では旅客の方ですけれども、車両のデザインとか色を工夫して、地域の関心とか利用意欲をかきたてている。すでに地域に定着し、評判もよいようです。それが結果的には顧客開発につながっていると思うんです。私もJR通勤をやってますが、コンテナ列車とか貨物列車は、汚いという表現したら失礼ですが、あまり感じはよくないですね。JR貨物さんも、もう少しスマートで、こんなに物流面で機能してるんだという認識を広め、一般社会でのファンをたくさん作ることも必要だと思います。

それから、尾前さんからもお話でましたが、国の「物流施策大綱」の中で、JR貨物がこういう機能を果たさないといけない。それに対しては、政府なり国のバックアップが必要なんだ、その応援団を作るには、やはり関係業者さんだけじゃなくて、社会の応援が必要だと思うんです。そのためには、もう少し、一般の人達にもPRをしていかないといけないんじゃないかという気がいたします。

それともう一点、今日のお話の中で、平成14年の春には、門司に鉄道貨物の拠点駅がオープンするという話が出ました。これは九州にとっては素晴らしい朗報だと思います。これによって、先程高中支社長からお話ございましたように、それを機会に九州の鉄道貨物輸送は、かなり大きく改善されるとは思いますけれども、そのためにも、これから、それをちゃんと視野に入れた商品開発をどんどん積極的にやっていただきたいと思います。もう30分になりました。極めてつたないまとめでしたけれど、もう時間もきましたので、この会場には荷主さんもお見えになっていると思いますが、これからのJR貨物、特に九州では明るい展望が期待できるというお話でございますので、将来を展望した中で鉄道貨物をどう使っていったらいいか、あるいはその可能性について、これからも検討していただきたいと思います。そういうことをお願いしまして、一応このパネルディスカッションの幕を閉じたいと思います。どうもありがとうございました。

 

 

 

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