柴田 これは整備新幹線の話になりますが、高中支社長よろしいですか。
高中 東北の盛岡〜八戸の新幹線の関係で一応、新幹線上を走らないということで、ある程度方向づけがでました。
その後今後どうしていくのかというのは、青森県、岩手、JR貨物と、今、まさに協議されている話です。貨物会社としては、三セクになったから、そこが線路使用料が高いから、どうだこうだということは、当然考えてません。JR貨物は全国ネットワークで商売していくのが基本ですし、JR貨物が民営分割で出来た時の経緯もあり、そういった線路使用料の条件で貨物会社は出来ているということもございます。その基本を変えることは一切考えておりませんし、今後、荷主さんには一切迷惑かけないよという形の中でやっていきます。
九州の新幹線の、八代〜川内間は第三セクターだと聞いていますが、具体的にはまだどうなるという結論もでておりません。今からどうだこうだということは言えませんが、やはり、盛岡〜八戸間をひとつの例としてみなきゃいけないんじゃないかなと思います。九州の方も標準軌だとかスーパーだという話は、もともとスーパーで始まって、あと、標準ということになってるようで、具体的にその辺の話が出てきてないということであります。
いずれにしても、お客さんとかには一切迷惑かけないでやっていきますということだけは、ここでいわせていただきたいなと思っています。
柴田 よろしゅうございますか。もうお1人、おられましたら。よろしゅうございますか。
では、皆さんのご意見あるいはパネリストのご意見をお聞きする時間があまりございません。極めて消化不良の状態だと思いますが、これは私の進行がまずい結果でございまして、大変申し訳なく思っていますけれど、一応今日のパネルディスカッションのまとめと申しますか、私の感じを最後にちょっと述べさせていただきたいと思います。
冒頭にも申しましたように、私個人的には、多分皆さんがたもそうお考えだとおもいますが、この九州地域は、JR貨物さんが一番力を発揮できる地域だというのは間違いないことだと思います。
このような、JR貨物にとって有望な地域でありながら、現在のようにJR貨物さんが低迷している要因や背景につきましては、各パネリストから、いろいろ指摘もございました。
全体的に見れば、どなたかの意見にはありましたように、発着貨物の量が違うということ。これは、空コンテナをどう回送するかという問題にも絡んできますし、また、九州の需要構造の特殊性ということもあります。例えば、農産物の輸送が多いということは、季節的な波動が多いということ。そういうことにどう対応するかとか。このほかにも九州管内では、路線区間によって牽引能力に非常に差があると聞いています。例えば、門司〜福岡あたりは1200トン牽引可能だけれど、だんだん南に下がるにしたがって、例えば八代〜熊本では500トンと、半分以下に下がる。また、日豊線が弱いとか。これは、施設能力というか、そういう面での基盤整備が遅れているということです。そういうことがJR貨物さんの経営をかなり難しくしている要因にもなっているんじゃないかと思います。
けれども、岡田先生からもお話ございましたが、これからの鉄道貨物輸送というのは、環境問題も含めて、もっと見直されなければならないし、持てる機能をフルに発揮できるような仕組をつくり出していかなくてはならない。そのためには、どうすればいいか。岡田先生のお話では、それはJR貨物の義務であり、責任であるとおっしゃられた。まさに、当事者の経営努力、販促も含めた自助努力が基本だと思いますが、これはJR貨物さんだけでは、どうしようもないこともあり、JR貨物さんと一体となって、末端と申しますか、両サイドで集荷、配送を担当される通運業者さんと一体になって、トータルとしての市場競争力を作り出していかないといけない。そのためには、荷主さんの動向と申しますか、あるいは要望をちゃんと把握しておかなければならない。今日のお話の中でも、いろんな要望があり、そういうことは初めてお聞きしましたというお話もありましたけれど、そういうことのないように常に荷主さんの動向を適確に把握して、それにどう対応するかという、常日頃からのマーケティングとそれに対する機敏な対応が必要だと思います。