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柴田 はい、どうもありがとうございました。最後になりましたけれど、JR貨物九州支社の高中支社長さん、今まで3人の方からJR貨物さんに対していろんな注文、中には厳しいご批判もございましたけれど、そういうご意見・ご要望などの回答も含めてJR貨物さんとして、今現状、どうお考えになっており、これからどう対応していかれるかということを、ひとつお話、お願いしたいと思います。

 

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パネリスト

日本貨物鉄道株式会社

九州支社長

高中宏

(たかなか・ひろし)氏

関西大学工学部卒。昭和43年日本国有鉄道入社、年日本貨物鉄道株式会社の発足と同時に同社へ。鉄道事業本部運輸車両部次長、計画推進室長を経て、11年6月から現職。昭和20年生、山口県出身、54歳。

 

高中 紹介をしていただきました、JR貨物九州支社の高中と申します。いろんな指摘事項、たくさんありましたが、とりあえず、JR貨物、九州の輸送状態とか、若干概略をお話させていただいて、そのあと、いろいろ指摘事項等に答えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

コンテナ輸送については昭和62年が121億トンキロ、現在10年では190億トンキロとなっており、いうなれば62年から6割近い増加をしているということです。

車扱いにつきましては、79億トンキロだったんですけれど、現在が36億トンキロということで、半分以下の46%に会社全体ではなっています。車扱い荷物のコンテナ化ということも、かなりやってきておりますので、そういった意味もありますが、車扱いのセメント、石灰石の輸送がどんどんなくなってきたということも含めまして、こういう状況になっているということです。

収入で見れば、コンテナなども発足時を100として157という輸送量はあるんですが、やはり運賃の競争にも応巻き込まれておりまして、収入はコンテナで4割程度しか増えていないということになっています。そういった意味から、JR貨物も値引きはかなり努力してやってるということではないかと思います。

そういった中で、九州の輸送はどうかということでありますけれども、もともと船でないと運べないというもの以外のもの、すなわち鉄道で扱えるであろう荷物を対象として、じゃあ九州からどれだけ鉄道で輸送しているかということになりますと、9年度の実績で申し訳ないんですが、コンテナで九州発が213万トン、入ってくるほうが309万トンということで、かなり入ってくるほうが多いという状況になっています。

一方、方面別にみると、先程来、600キロ、800キロ、1000キロの話があるんですが、関東向けが発で108万トンということになってまして、その次が関西で半分の57万トン、東海地区が33万トン、ということで関東向けにかなりの量があります。逆に入ってくる方も関東からが135万トンということになっていまして、いうならば、東海・名古屋以遠ですか、鉄道のメリットが発揮できている所ではないかと思っております。

関西地区につきましては、トラックのメリットと非常に競合するということで、運賃値引きの競争も非常に厳しくて、かなり安い運賃で運ばざるをえないというような状況になっております。九州の荷物としてどういうものがあるかということでみてみますと、路線とか区域関係が17%ということで、やはり一番多くなっています。その次がほぼ横並びなんですけれども、食料工業品とか、紙の関係、化学薬品、食料工業品とか果菜類、野菜とかみかんとか、そういったもので7%程度です。やはり、路線とか区域、関東向けですね、これが非常にシェアが大きいということになっております。

今後、どういう方向で何をしたらよいかということですが、先程尾前さんから話がありましたが、海上コンテナ輸送は平成7年、九州が最初で福岡(タ)から神戸港間に1本列車をつくり始めました。8フィート6インチの海上コンテナについては、少し台車の低いコキ100形式で全国運べます。又、9フィート6インチのISO規格のコンテナがあるんですが、これも仙台から、福岡までは支障なく輸送できます。

そういった中で先程24トンという話がありましたが、実は道路の規制緩和もあり、道路上が24トンまで走行可能になっていまして、現在のコキ100形式では輸送できないとか、1個しか載らないといった現状です。

 

 

 

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