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それを使いまして、福岡から東京、福岡から関西、関西から東京というようなその拠点の輸送を、日々行っておるわけですけれども。今現在の時代にあったコストの部分、輸送コストをいかに下げてできるかということで、なかなか長距離部門だけを見ますと、週末の稼動の悪さ、荷物が出ないということで、上り・下りの往復の貨物がどうしてもどこかで途切れるという状態が今現在ございます。そうした中で陸送でやっておりますと、空車回送という部分はコストアップに相当つながります。ただし、レールを使った場合には、そのあたりのコストという部分は、陸送よりもコスト削減につながるということです。ただし、往復の荷物があれば、これにこしたことないわけですけれど、なかなかそのあたりの車とモノの需給関係という部分はアンバランスです。まして、九州からの出荷物、それから関西または関東からの下りの荷物という部分の時期的な問題も相当、影響がございます。私共は冷凍・冷蔵の食品関係、九州からは農産物関係というか、畜産物関係が多いわけですけれども、関東・関西からは製品化された商品群が多いというようなことで、どうしても夏場と冬場の需給のバランスが崩れるというような状況が現状の姿でございます。

そういう中で、現在58機、冷凍コンテナをもって展開させていただいておるわけですけど、鉄道を使った場合の良いところという部分は、まず正常な場合には時間が正確であるというところがございます。それから、先程いうコストの部分で荷物との調整の中で、そのあたりの対応が多少なりとも良いという部分。それと、労働時間の問題のクリアという部分。こういうものがございますし、また、冬場、雪の状態の場合にはレールが強いという部分。これは当社の担当窓口の意見を聞きますと、そういう部分がメリットとしていいところがあるということでございます。

まあ、そういういい面があるわけでございますけれども、反面、要望としましては、先程言いましたように雪には強いんだけれども、夏場が弱い。先程話しのあったように台風とか、大雨の時に停まるケースが年間に何回かあるという状態。また、最近は不景気の影響かどうか、人身事故が多いんですね。そのあたりの情報という部分が案外と遅いという現場からの声もあがっております。そのあたりの、解消もしていただきたいということでございます。

それと全体的には、やはり今リードタイムという部分が相当、お客さんの方からも要請されてきております。従いまして、そのあたりの運行時間帯をいかに圧縮できるかという問題点、今現在福岡から関東までというのは20時間前後かかっております。したがいまして、今日出発の部分は明後日、関東での荷卸という状態になります。ただ、ブルトレですか、あの部分については、翌日ということなんですけど、どうも今出発時間が午後の3時ごろということで、集荷の時間とあわせますと、なかなかそうした需要という部分は難しい面もございます。したがいまして、通常の各輸送時間帯をいかに短縮できるかという部分で、競争力をつけるためには福岡〜東京間をデイワンでという状態になれば、これはもうトラックよりもすぐれているということで、需要はものすごくあると思うんですね。そういう時間の短縮の問題、こういうようなことを改善していただければ結構かなということもございます。

それと、中・長期的な部分からの提案なんですけれど、やはり、環境問題とかいろいろ、今、指摘されている部分がございます。したがいまして、そのあたり、物流業者としましても、目を向けているのが今の時代なんですけれども、そういう部分からいきますと、どうしても今の車、10トン車なりのレールに載せて通常いわれておりますピギーバック、まあ、このあたりが改善できれば、もっともっと有効利用が出来るんじゃないかというように見ております。まあ、これは今、相当トンネルの事故の問題とかあるわけですけれども、これを機会に今の不景気の時に設備投資を国とやっていただいて、トンネルの改造という部分を別途、仕組んでいただいた中で、そのあたりの改善をやっていただければ、そのあたりの需要もまだまだ伸びると私は思っています。まして、今現在の日本国内の物流費が大変高いということを、海外から比較して言われておるわけですけど、ちなみにアメリカあたりのレールの部分を聞きますと、2段に積んで長距離輸送をやられている。したがいまして、トンネルの工事をやる場合には、日本でもコンテナを2段に積んで輸送のできるような、そういう部分までやっていけば、まだまだ対外的な部分での競争力という部分の改善の一番基になるような基幹物流の変更というか、改善、このあたりが出来ればというような希望をもっております。

そういうことで、当社、これからもモーダルシフトにつきましては、積極的にレールを利用させていただいてお客様のニーズに合うような物流をということでかんがえております。以上です。

 

 

 

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