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また、これは旅客のほうがメインとなるからいた仕方ないかもしれませんけれど、いろいろトラブル状況、あるいは運送情報の入手にもトラブッた場合には、非常に時間がかかるということでございまして、そのあたり我々は非常に不満を持っております。従いまして、岡田先生もこれに近いことを言われておりましたけれど、一般の輸送会社と同じように、顧客重視のサービス精神が必要ではないかと思っております。

また、JRを利用した場合に、荷物の濡損トラブルが非常に多いというのが欠点でございます。JRさんからいわれますと、コンテナなど設備を毎年更新しているんだよという様にいわれているわけでございますけれども、一向に濡損トラブルが減少しないということで困っております。お客の製品を大切に運ぶというのが運送業の大きな使命でございますだけに、濡損トラブルの絶滅には是非、全力で取り組んでほしいと思います。

3番目に今後の輸送に関しまして、JRさんに期待することでございますけれど、私共は危険物、毒物のローリー輸送を非常に多くやっております。先般東京都内で発生しました過酸化水素水のローリー爆発事故でみられますとおり、市街地を危険物が走るというのは非常に危のうございます。従いまして現在は危険物、毒物のローリー輸送を少なくするということが求められています。この対応策としまして、JR貨物あるいは海上輸送というものが候補になってきておりますけれど、先程岡田先生もふれられましたけれど、私はJR貨物輸送が最適輸送手段ではないかと考えております。現状におきましては、誠に失礼かもしれませんけれども、JRさんが積極的にこれらに対処していっているという姿勢は私自身、感じられません。誠に残念なことだと思っております。大型タンクコンテナ化の推進、あるいは思い切った低額料金設定など、ローリー輸送にJRが取って代わっていくというような積極姿勢を是非示してほしいと思います。

また、すでに川崎市で実施されておりますけれども、産廃だとかゴミ輸送をトラック輸送ではなくて、JR貨物輸送に切り替えて実行をすれば、環境面あるいは道路混雑の大幅な解消にもつながっていくと思いますから、積極的にこれらを推進されてはいかがかなという様にご提案を申し上げます。

それから、これは私自身理解不十分で、失礼になるかもしれませんけれど、是非この場で国にお願いしたいということがございます。

我々はモーダルシフトとしまして、先程から申し上げていることでございますけれど、JR貨物に大きな期待を持っています。JR貨物さん自身、お客の立場に立った顧客思考に変わってくれるということはもちろんでございますけれど、JR貨物さんだけで全てを解決するというのは難しいと思っています。資金の問題、あるいは規制緩和など、国の協力も絶対必要であるという様に考えておりますので、よろしくご協力お願いしたいと思います。

最後に私のJR貨物輸送に対するイメージでございますけれど、私はJR貨物さんは重い、堅い、遅いというイメージを持っております。従いまして今後は、軽い、しなやか、速いというような顧客思考のイメージに是非、早く変わってほしいということを期待して、勝手なことを申し上げましたけれど、私の意見とさせていただきます。

柴田 どうもありがとうございました。JR貨物さんにとってはかなり手厳しいご意見・ご批判ございましたが、これについても後でJR貨物さんからお答えいただくとしまして、次に参りたいと思います。

次は冷凍コンテナ輸送を主な仕事とされております、ランテックの瀧内常務にお願いしたいと思います。

 

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パネリスト

株式会社ランテック

常務取締役

瀧内貞男

(たきうち・さだお)氏

関西大学経済学部二部卒。昭和40年九州牛乳輸送株式会社(現・ランテック)に入社。12年4月より福岡本社勤務現在に至る。昭和16年生、兵庫県出身、57歳。

 

瀧内 ただ今ご紹介いただきました、(株)ランテックの瀧内と申します。よろしくお願いします。私共は今紹介いただきましたように、冷凍・冷蔵輸送を全国展開しておりまして、現在陸送関係での輸・配送という部分が主体なんですけれども。ご存知のように今現在、週40時間の問題とか、そういうところ対応するためにモーダルシフトということで、数年前からJRのレールを利用させていただいてということで、積極的に今現在、取り組んでおります。そういう中で、当社の私有コンテナ、フレッシュ便という商標を入れまして、冷凍機つきの30フィートのコンテナを今現在58機所有しております。

 

 

 

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