だから、台湾と九州がほとんど同じ面積で、人口は向こうが2000万人で多いんですけれども、ちゃんと北と南に都市がありまして、台北と高雄ですね。どちらも基隆と高雄、むしろ高雄の方が港としては立派なんですけれども。北と南に拠点があるから、そこを人や物が流れるわけです。福岡だけが大きくなったら、九州新幹線、走りません。走りませんというか、要するに儲からない。南と北に拠点があるから、その間を動く。その間を動いてくれれば、八代だとか新大牟田だとか、そういう所もハイモビリティの恩恵を受けることが出来るわけですね。私は、福岡が元気だということを話すと、「先生は福岡一極集中推進論者ですね」といわれますけれども、モビリティというのは双方向性がなければいけないわけで、皆さん方もトラック片荷で走ることの負担、よくご存知だと思いますので、双方向性というのを確保するということが、地域全体の利益になるんですが、果たして、その双方向性になるようなモビリティ条件が南九州にあるのかという事、これが大きな問題になっているという気がいたしてならないわけでありますが。
まあ、そういう意味で3番目に宮崎があがっているということが、ミソでありまして、宮崎空港が滑走路が短い2500メートルしかないんでありますけれども、都心に近い、JRが乗り込んでいるということで、全国の地方空港が今、宮崎に目を向けている。要するに、何とか宮崎のようにJRを乗り入れさせることが出来ないのかと。仙台に行きましても、新潟に行きましても、宮崎の話をしてほしいと。宮崎は何故JRを入れられたのかということで、皆さん関心を持たれているわけですね。
ですから、モビリティを確保するということが、空港をとりあえず作るということだけじゃなくて、いかにアクセスを含めて、トータルとしてのモビリティを上げていくかということが、大変重要になっているということであります。
ですから今、福岡空港が非常に旅客を増やしていると、佐賀空港が苦戦しているというのも、問題は最終的にトータルとしてのモビリティの、競争力の問題であるということになっているわけであります。
4番目に熊本がきまして、県庁所在都市が大体入っています。長崎を除いて、ということなんですね。ですから、長崎も非常に難しいところで、都市の成長が地域の中で受け止められない、面積の問題もあります。市街地面積が非常に狭いという問題もありますし。それから地理的位置として西の端の方にあるという問題もありまして、長崎県の人口減少率は全国1、2位を争う。九州の人口減少の最大の要因になっているのは、実は長崎県の人口の減少なんですね。それは長崎市の成長力がないということとも関わっているわけであります。だから、県全体の活力が生まれるかどうかというのは、その中心的な都市の活力がどうなのかということと密接に関わっておりまして。
その意味では、それが満たされていなくて、人口がそこそこがんばっているという不思議な県は佐賀県だけであります。佐賀都市圏の人口増加率は非常に低いのに、むしろ鳥栖のような、違うエリアのような、要するに県庁所在都市でないところが伸びている、不思議なところが佐賀県の鳥栖とですね、そして国分隼人、この国分都市圏だけなんですね。国分都市圏の方はまさしく空港なんですが、久留米や鳥栖というのは、皆さんご存知のように陸上のハイモビリティ、結節点、交通の結節点になっているということであります。
で、9番目に長崎ではなくて、諌早が出ておりますが、これは大村も入っておりまして、諌早、大村、まさしくこれもまた、臨空工業地帯、ハイモビリティ都市であるということであります。