【宮崎県に本社を置くDIY小売店の事例】(M社)
・23カ国100社から2,000アイテムを輸入している。いずれも商社等を介さず当社のバイヤーが買い付けている。
・基本的にコンテナ単位で発注しており、毎週1コンテナ程度のボリュームがある。輸入先とはFOB(Free on Board;本船積み込み渡し)取引のため、利用船社・港湾は当社が決定している。
・現在は、釜山経由の博多港、門司港、八代港などを利用している。八代港は熱心なセールスがあったため利用している。
(7) 物流業者等による細島港の国際物流戦略プラン
○我が国全体の輸入基地にする
大手量販店からは、保税地域を設けて物流センターを整備し、海外からの輸入品の長期保管と、積み替え・流通加工などをことで、“我が国全体の輸入基地”となることを目指してはどうかという提案があった。
【大手量販店の意見】(H社)
・宮崎は福岡からの陸路が長いため、南九州地域の物流拠点を立地させることは、コスト・スピードの点で難しい。
・“九州圏の物流基地”を狙うのも無理がある。
・いっそ奇抜だが、“我が国全体の輸入基地”を狙ってはどうか。
・今後海外からの輸入が進展し、消費財を40ftコンテナで大量に輸入すると、物流センターで3カ月〜半年間など長く在庫しなければならなくなる。
・そうなった場合を睨み、保税地域を設けて物流センターを整備し、そこで輸入品を長期保管するだけでなく、積み替え・流通加工なども行う。
○南九州地域向け輸入貨物の仕分け基地にする
大手総合商社からは、南九州地域向けの輸入貨物を一括して細島港で陸揚げし、各県別に仕分けして配送する役割を担ってはどうかという提案があった。
【大手総合商社の意見】(E社)
・輸入は今後も増加すると考えられるが、その増加のむしろ足かせになっているのが港湾の未整備である。
・そこで、南九州地域分の需要を細島港で一括して陸揚げし、各県への配送のため、各県別に仕分けする。
・細島港は内湾に入っておらず、外貿に適した地理的要件を有している。
○港湾のグローバル評価基準に則った整備を進め国内他港との差別化を図る
大手総合商社から、港湾のグローバル評価基準を理解し、それらを向上させるべく整備を行って、それらの点が充実していることをアピールしていくようにすれば、他港との差別化を図ることができるとの提案があった。