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【大手総合商社の意見】(E社)

・海外での港湾の評価ポイントに即した港湾整備と情報PRが必要である。

・海外では、港湾を、"キーレングス"と"1m当たりのスループット"の2点で評価するが、日本の港湾説明資料には、この肝心の2点が掲載されていないことが多い。また、この2点に、"Key Perfomenace Indicator"である"水深"、"後背地"、"アクセス"を加えて評価を行う。

・細島港においては、こうしたグローバルな評価ポイントを向上させるべく整備を行い、それらの点が充実していることをアピールしていくようにすれば、他港との差別化を図ることができる。

 

(8) 考察

○近年、海外工場から国内市場までの配送の一貫管理、海外港湾における貨物の陸揚げから海外工場生産ラインへの納入までの一貫管理、複数の海外物流拠点の在庫の国内一括管理など、国内外の物流管理を一体的に遂行する傾向がみられる。こうした荷主ニーズに応え、荷主に代わって物流を、一括して管理・遂行する3PLが物流業者や商社によって展開されるようになっており、これら3PL事業者に業務を委託する荷主も増加している。

○一方、我が国港湾のサービス内容・対応等に対しては、不満の声も多く、改善が求められている。

○国際海上輸送の需要面をみると、海外からの輸入が増え続けており、今後も増加が見込まれる中で、大量仕入れを行う荷主を中心に海上輸送が利用されるケースも多くなっており、宮崎県内でも輸入を拡大している企業が存在している。

○一方、九州圏内では、各港において外貿定期コンテナ航路の開設が相次いでおり、限られた需要に対する港湾間での競合が激化している。

○(7)で述べたような国際物流戦略プランを実現させるためには、上記のような動向に対応し、他港と比べて高いメリットを提供して差別化を図ることが必要である。また、そうしたメリットがある点を、潜在荷主である企業に対して、積極的にポートセールスすることが重要である。

 

 

 

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