【日用品メーカー「日本リーバ」の事例】
・日用雑貨メーカーの日本リーバ(東京・渋谷、赤岩覚社長)は2000年7月から、化粧品・日用雑貨で小売りと直接取引する新制度を導入した。
・取引条件は、年間取扱額が1億円以上、最低発注単位が50ケース以上、EDI(電子データ交換)を活用した取引が可能、センターフィーなどリベートは支払わないなど8項目。この条件を満たせば、小売り、卸ともに取引に応じる。
・仏カルフールや米コストコなど、外資系小売り大手の日本市場進出をにらんだ取り組みである。
・同様の取引制度はプロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト(P&G、神戸市、R・A・マクドナルド社長)が1999年10月から導入しており、日用雑貨業界で直接取引の動きが広がりそうだ。
(資料)日経流通新聞(2000年7月27日)
○衣料品の例―工場からメーカー物流拠点を経由しない小売店への直送が進展
通常、アパレルメーカーでは、工場から大都市圏(東京・大阪・名古屋)の物流拠点へ商品を集約し、そこから各地へ配送しているが、一部アパレルメーカーにおいて、物流センターを経由せず、工場から百貨店等の店舗へ直送する体制の整備が進められている。
また、そのために、百貨店店頭に物流センターや他店の在庫状況を把握できるシステムを導入し、販売員が在庫状況を基づいて、物流センターへ直接発注できるようにする動きがみられる。
【大手アパレルメーカー「レナウンルック」の事例】
・現在は、出荷の9割を東京と大阪にある物流センターにいったん移してから店舗に配送、残り1割を店舗に直送している。
・今後、物流センターを経由せず工場から店舗に直送する商品の割合を従来の1割から5割程度に引き上げる。商品の直送体制では、東北の3カ所の自社工場から配送する。直送とすることで工場出荷から店頭に並ぶまでの納期が1〜2日短縮できるほか、物流センターの人件費も削減できる。売れ筋商品をできるだけ早く店に供給して拡販の機会を増やすとともに、一層の在庫圧縮につなげる。
・また、直送化を促進するために、店頭の販売員がコンピューター端末機を使い、物流センターや他店の在庫状況を把握できるシステムを今秋までに導入する。
・全国の百貨店に店構えを設けるインショップなど約千店のうち、専門の販売員を配置している自営店舗を中心に端末機を導入する。今秋までに全体の8〜9割の店舗への普及を目指す。新システムでは、販売員がつかんだ在庫情報をもとに、不足商品をセンターに発注したり他店から回してもらうことができる。これまでは本社が在庫情報を集中管理しているため、全店舗の需要に応じた迅速な対応ができない面があった。新システムの利用で売れ筋商品を過不足なく店頭にそろえることができる。
(資料)日本経済新聞(2000年4月18日)