日本財団 図書館


しかし、九州地域については、翌日配送に対応できないため、今後も配送センターが利用される方向にある。

 

【大手加工食品メーカー「キッコーマン」の事例】

・2003年を目途に工場から卸や小売店への製品配達を、各地の物流センター経由から直送に切り替える。

・現在進めている物流センターの集約と並行して直送を順次拡大し、工場を持たない中部地区と九州地区を除いて、原則直送にする。九州については、関西からでは翌日配送に対応できないため、福岡の配送センターは今後も必要と考えている。中部地区も、名古屋市の配送センターを残す。

(資料)日本経済新聞(2000年3月2日)

 

【加工食品メーカー各社の事例】

・複数の冷凍食品メーカーが、特殊車両を使った共同配送の実現化に向けた取り組みを展開している。

・東京や阪神地域の加工食品メーカーにおいて、九州地域の量販店に対して直送化を提案する動きがある。

 

○日用品の例―発注ロットに応じた商品原価設定により、小売業との直接取引を推進

近年、一部の日用品メーカーが、発注ロットに応じて、ロットが大きいほど低い商品単価を設定することによって、卸売業者を通さず小売業との直接取引を推進している。

 

【大手日用品メーカー「P&G」の事例】

・大手日用雑貨メーカー、プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト(P&G、神戸市、R・A・マクドナルド社長)は1999年10月より新取引制度を導入する。

・新取引制度の目玉は、メーカーから卸への商品の納入価格を小売に対しても開示するという点だ。価格決定の仕組みを透明化することで店頭での極端な安売りをなくそうという狙いで、小売との直接取引も、納入価格と取引条件を見て効率的と判断したチェーンから要請があれば応じていくというスタンスである。

・新制度が卸を排除するものではないにしても、卸をメーカーの「代理店」として機能させる旧来の商慣行を見直すのは事実だ。これまで無返品や現金決済などの条件をのむ卸にはインセンティブを支払うなど、メーカーは使い勝手がいいように卸を子飼いにしてきたといっても過言ではない。

・P&Gは今後、リベートの要求には一切応じないと強腰な姿勢を鮮明にする一方、卸がEDI(電子データ交換)を導入した際などに支払っている「機能インセンティブ」も廃止する方向だ。

・同社は「『卸はメーカーの代理店』という考えを改め、米国流に『小売りの調達代行』という役割を担ってもらう」と説明する。メーカーにおんぶにだっこするだけの卸とは関係を打ち切り、結果的に取引先を集約していこうという狙いが見え隠れする。

(資料)日経流通新聞(1999年7月20日・10月19日)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION