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【日用品メーカー各社の事例】(昨年度ヒアリング調査)

・福岡市近郊に共同物流センターを設置し、九州・沖縄・山口地区をカバーしている。共同物流への参加メーカー数は、今後さらに増える方向にある。

・卸店は在庫を持たなくなってきており、特にスーパーやコンビニを顧客とする卸店は朝一番の納品が求められる。こうしたことから、概ね地域ブロック毎に拠点を配置することとなる。中国・四国については、近畿と一体化し、北海道、東北、関東、中部、近畿、九州の6拠点体制になるものと考えている。

 

2] 直送化への取り組み

○家電製品の例―工場からメーカー物流拠点を経由しない小売店への直送を推進

ただし、九州域内は翌日定時配送対応のため今後も物流拠点経由

大手総合電機メーカー「東芝」は、主要家電商品については、物流拠点を経由せずに工場から大手量販店や東芝系列の販売店に直送し、物流拠点で在庫をもつ商品は注文頻度の低い商品に絞る方向性を打ち出している。

九州域内については、受注から24時間以内に配送(翌日に定時配送)できるのは北部地域が限界のため、今後も物流拠点(福岡市近郊)からの配送が基本とされている。

 

【大手総合電機メーカー「東芝」の事例】

・今年10月までに現在12カ所ある物流拠点を、東京、大阪、名古屋、福岡、広島、仙台、札幌の7カ所に集約、物流拠点を経由せずに工場から大手量販店や東芝系列の地域販売店など小売店まで家電製品を直送する比率を現在の10%弱から80%に引き上げる。これにより物流コストを約3割減らす。

・物流拠点で持つ在庫は注文頻度の少ない家電に絞り、冷蔵庫、洗濯機など主要商品は工場から販売店に直送する方式に切り替える。販売店から注文を受けると、工場から販売店に近い運送会社のターミナルなどに商品を運ぶ。ターミナルから販売店までの配送は運送会社に委託する。

・東芝は、直送の拡大に伴いグループの物流子会社への業務委託を減らす。

(資料)日本経済新聞(2000年4月20日)

 

〈大手総合電機メーカー物流子会社の声〉(B社)

・工場からの直送を一部の商品に限って部分的に行うと配送網が複雑になり、かえって効率が低下する恐れがあるほか、販売店からの"一括納品"のニーズにも応えられない。従って、工場直送の場合も、各工場からの商品をクロスドッキングして一括納品する必要がある。

・その上で、受注から24時間以内の配送(翌日の定時配送)を行えるのは九州北部地域が限界である。

・そのため、九州域内については、今後も物流拠点(福岡市近郊)からの配送が基本となる。

 

○加工食品の例―メーカー物流拠点を経由しない工場からの直送が進展

ただし、九州域内は翌日定時配送対応のため今後も物流拠点経由

近年、一部の加工食品メーカーにおいても、自社の物流拠点の削減を進め、そこを経由せずに、工場から食品卸売業者や小売業の物流センターに商品を直送する動きが進展している。

 

 

 

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