4) 架橋による人口動向
国勢調査による生月町の人口をみると、昭和60年から平成2年の人口推移は9,323人→9,132人で191人減(対前回調査比マイナス2.0%)であったのに対し、平成2年から平成7年では9,132人→8,594人で538人減(同マイナス5.9%)であり、それまで比較的人口減少率が低かったのが、架橋後、人口減少の度合いが高まった。
その要因は架橋の影響というよりも漁業の不振が大きいと考えられる。
5) 架橋に伴って発生した問題点
○交通安全対策
架橋に伴って島内の自動車交通量は大幅に増えたが、ガードレールや歩道の設置、交通安全思想の啓蒙に努めた結果、交通事故は増加していない。
○犯罪
架橋後、窃盗犯が増加した。生月では、架橋前は昼夜を問わず施錠する習慣がなかったので、そこを空き巣に狙われたものと思われる。犯罪に対する警戒心が高まるとともに空き巣ねらいも減少し、2年後くらいには皆無に近くなった。しかし、離島であったが故の住民性なのか人が良く、橋を渡ってやってくる訪問販売やキャッチセールス等の知能犯にだまされやすい。増加した平成7年の38件のうち34件はこれによる犯罪である。
○釣り客のマナー
昔からのなじみの釣り客は問題ないが、架橋後に訪れる釣り客の多くがマナーに問題があり、まき餌を大量にまくことから磯焼けが起こり、ゴミの放置も問題となっている。
○その他
町の山間部で自然木が無断で採取されることがあった。