■待合所の設置
現在、桟橋のみの港湾では、休憩する場所がないため、今後は高齢者・身障者に配慮したいすを設置した待合所の設置が求められる。
2] 乗下船時のバリアフリー化
現在、各港とも乗下船はタラップにより行われており、幅や段差は移動円滑化基準を満たしていないが、係員の介助によって補完している。今後のバリアフリー化の方向としては、港湾側の安全面の充実、乗下船時の乗降施設のバリアフリー化、優先乗船があげられる。
■転落防止柵の設置および雨よけ設備の設置
現在、各港とも転落防止柵や雨よけは設置されていない。しかし、高齢者や身障者、特に車いす利用者にとっては、わずかな揺れによって大きな影響を受けやすく、特に天候の悪い日などは浮き桟橋の揺れとともに、濡れて滑る危険性もある。今後、転落防止柵や雨よけ設備を設置し、安全面の充実が図られる必要がある。
■乗降用施設の段差解消および乗組員の介助サービスの向上
現在利用している乗降タラップでは、幅がやや狭く若干の段差が設けられている。既存船舶の改造による出入口の拡張は難しいが、現状の75cmに即した幅で段差を解消した乗降用施設への変更が望ましい。車いす利用者の場合、「第18わかしお」では段差が低いため、スロープをかけることで車いすのままの乗下船が可能(ただし乗組員による補助は必要)と考えられる。しかし、他の3船では車いすのままの乗下船は不可能なため、乗組員による介助が不可欠である。基本的に、乗組員によるサービスの向上が最も重要である。
■優先乗船の実施
現在、優先乗船サービスは行われていないが、朝の通学時などは小中学生の通学と、高齢者の通院が重なる時間帯であり、高齢者・身障者の安全な乗下船を促すために、優先乗船の実施が求められる。
3] 船内のバリアフリー化
既存船舶では構造上段差の解消は難しく、高齢者や身障者の船室へ移動する際の障害となっている。ただし、就航後間もない「第18わかしお」では移動経路における段差をできるだけ解消している。今後のバリアフリー化の方向としては、構造上の対応は難しく、係員の介助などソフト面の充実があげられる。