■情報提供施設の整備
視覚障害者に対するターミナル内の情報提供施設として、視覚障害者等誘導用ブロックや点状ブロック等を適切に設置し、音声情報等を的確に提供することが求められる。音声情報等については、当面は案内放送等での対応でよいと考えられるが、聞き取りやすさに配慮するとともに、点字対応の掲示板等の設置についても検討することが望まれる。
一方、聴覚障害者に対しても、わかりやすい位置に案内板を設置するなどの文字情報の提供が必要である。
■車いすの貸出および係員の補助による移動支援
施設の改善が難しい場合等には、新たなターミナルが建設されるまでの間、主に係員による高齢者・身障者等の補助による既存サービスを充実させることが望ましい。
例えば、ターミナルから乗船場までの移動距離が比較的長い佐世保港などでは、高齢者や身障者等に対して車いすの貸出サービスを行ったり、係員による補助などが必要とされる。また、こうしたサービスの担い手として、オンシーズンには、ボランティア等への協力要請を検討する必要がある。
併せてこれらの支援サービスの利用者に対して、積極的な情報発信を行う必要がある。
■乗船経路の雨よけ設置
雨よけは、改札から乗船場までの一部にしか設置されていないケースが多く、特に車いすの使用者にとっては、雨に濡れながら移動することとなる。また、高齢者等にとっても、雨天時や積雪時には路面がすべりやすく歩行時の危険が増すことから、乗船口までの円滑な移動の妨げとなる。
一方、車いす利用者にとっては、雨よけがある場合でも、降り込みは移動のバリアとなっている。
乗降客の動線に応じて、雨よけを整備することが望ましいが、設置が難しい場合は、適宜、乗船場までの雨具の貸出や、係員による介助が必要である。
2] 乗下船時のバリアフリー化
「フェリー椿」「フェリーなみじ」は、ともに代替船が予定されているものの、時期が未定であることなどから、本分析においては、これら既存の両船舶の改善を中心としたバリアフリー化について検討することとする。
乗下船に関しては、乗降口の垂直移動と段差解消が重要な課題となっている。
■乗降口の段差の解消
対象航路については、主にタラップを利用し乗降を行うが、乗降口の段差については、タラップの構造改善により対応する必要がある。