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(3) バリアフリー化の対応方向と具体的方策

1] ターミナル内のバリアフリー化

佐世保港については、鯨瀬ターミナル整備以後、随時バリアフリー化に向けた改善を行っている。また、有川港・小値賀港は、2003〜2004年を目処に、旅客船ターミナルを建設予定である。これらの2港については、バリアフリー対応が義務づけられることとなるが、ここでは、現行のターミナルを対象とした既存施設のバリアフリー化について検討する。

 

■ターミナルの出入口の段差解消

対象航路における各港湾のターミナルについては、施設内の段差は解消されているものの、出入口部分の階段など、高齢者や車いすの利用者等が移動困難な場合がみられる。こうした問題箇所については、スロープの設置等の措置を講ずることが必要となる。

例えば、先に述べた有川港のターミナルの出入口の段差については、新ターミナルの整備スケジュールをにらみつつ、出来れば早急に対応することが望ましい。具体的には、正面出入口脇にスロープを設置するか、十分なスペースを確保できない場合は、側面の出入口を車いす対応とすることが考えられる。

 

■自動ドアの設置の検討

各ターミナルの出入口は、十分な幅員は確保されており、車いすでの通行は可能であるが、自動ドアが設置されていないため開閉が容易でなく、円滑な移動の妨げとなっている。このため、視覚障害者や高齢者等に配慮しながら、開閉速度や感知域に留意して自動開閉式の戸へと改善することが望まれる。この他、手動式の場合についても、引き戸へと改善したり、また、開閉式でもノブ式からレバー式、棒状などの取っ手に改善を行うことも求められる。

 

■乗船券販売所の車いす対応化

現行の乗船券販売カウンターは、蹴込みがなく、高さも高いため、車いすによる利用が難しい。このため、高さと蹴込みとに配慮し、車いす使用者の円滑な利用に適した構造とする必要がある。

また、記入台についても同様に蹴込みを設置し、高さについても対応を行うことが望ましい。なお、当面は、係員による対応も考える。

 

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大波止ターミナル(長崎港)の記帳台。

手前の低い台は、車いす対応となっている。

 

 

 

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