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また、観光振興という観点からも有効であるとの意見も挙げられている。

 

《アンケート調査結果》

*身障者からみたバリアフリー化推進の必要性

・バリアフリー化促進に向けてについて企画していただき、ありがとうございました。私自身肢体に障害を持ち、10年近くになります。旅行する度に乗船することが一番の苦痛です。両親も何より旅行好きでしたが、乗船することにハンディを持っていました。悲しいことですね。高齢化、身障者になって初めて人の痛さがわかるようになりました。身障者が人並みに歩行できないので、佐世保の改札口より乗船までの距離が遠いので、一足早く行っても拒否され、思いやりのない人の心も船もバリアフリー化にお願いいたします。(車いすの方は、乗船することは無理なのです)(宇久町、身障連)

・本当に自分自身が障害をかかえたときに、普通に歩いている道路やトイレの段差など、改善するところはたくさんある気がします。たまにふと考えさせられることがあるので、障害をもっているということはすごく大変だと思います。(峰町、社協(身障者))

*高齢化社会に必要不可欠な船舶のバリアフリー化

・高齢化社会を迎え、身障者の為だけでなく交通船のバリアフリー化は必要。(大島村、身障連)

*観光振興の側面からも離島のバリアフリー化は重要

・離島において、船のバリアフリー化は、島の高齢者、身障者のみではなく、観光で来島される方への配慮ともなり、ぜひ必要なことだと思う。(石田町、社協(高齢者))

・離島は船が一番の交通機関ですので便利良くした方が良いと思います。(大島村、老人クラブ)

 

■総合的なバリアフリー化の推進

ヒアリング調査では、総合的なバリアフリー化の推進について指摘されている。例えば、本土側の港湾について、離島側のバリアフリー化を進めたり、港湾施設までのアクセス交通等も併せて考えることにより、総合的なバリアフリー化を推進することが必要とされている。

 

《ヒアリング調査結果》

*面的なバリアフリー化の推進

・大波止のターミナルは2階から乗船可能なため、長崎港から出港する場合は問題ないが、例えば福江等にはその施設がない。両港湾に整備する必要がある。

・長崎港には点字ブロックが整備されているが、離島側の港には点字ブロックがない。

・ある区間内はバリアフリー化されていても、その前後が不十分であるということは多い。例えば、車いす用のトイレの前に階段があって、結局利用できなかった、と言う話もよく聞く。

・ある部分だけがバリアフリー化されていても、その前後が未対応であれば、問題になる。総合的なバリアフリー化の推進が必要である。

 

■高齢者や身障者だけでなく健常者にも使いやすい「ユニバーサルデザイン」

高齢者や身障者にとって使いやすいだけでなく、健常者にとっても使いやすい施設整備の必要性についても指摘されている。

 

 

 

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