■外出の不安材料を取り除くことで外出頻度は増加する可能性あり
ヒアリング調査によると、外出の不安材料を取り除くことで外出頻度が増加する可能性があると指摘されている。例えば、身障者が全国福祉大会等に参加する際に行程中のトイレの有無や貸し切りバスのトイレ休憩情報等を事前提供することで不安材料が取り除かれ、参加しやすくなったという実例が報告されている。
また、従業員によって対応が異なる点も高齢者や身障者等の外出時の不安材料になっている。ソフトのバリアフリー化の推進は外出頻度を増大させ、高齢者や身障者等の社会参加を促進することが期待される。
《ヒアリング調査結果》
*外出の不安材料を取り除くことで外出頻度は増加する可能性あり
・不安材料を取り除くことで、外出頻度が増加する可能性がある。以前、視覚障害者の全国福祉大会に参加するためのスケジュールを組んだことがあるが、参加希望の障害者からは乗船後のトイレの有無、貸切バスのトイレ休憩の時間などの問い合わせが多かった。それぞれの不安材料を解消したところ、障害者も外出する気になるようである。
・船舶は陸上、航空等に比べバリアが多いという不安感が大きく、本土在住者は、船舶を移動手段の一つとして考えていない。離島に行く場合もイベントが目的であるため、船でしか行けないところにわざわざ旅行しようと考えない。
・現在、視覚障害者にとって飛行機がとても利用しやすくなっている。この理由は、空港のカウンターに行けば、その後は係員が全部案内してくれるためである。また、羽田空港に着くと、モノレールまで連れていってくれるし、長崎空港でもバス乗り場まで案内してくれる。船舶が近年の空港のように利用しやすくなれば、障害者にとっても外出頻度が増える可能性がある。
(5) バリアフリー化の推進に際して求められる視点
■バリアフリー化の推進の必要性
バリアフリー化の推進の必要性については、アンケートの自由回答等においても多くの意見が挙げられている。特に、身障者の外出支援あるいは高齢化社会への対応といった観点からバリアフリー化の必要性が指摘されている。