4] バリアフリー化の推進にあたって期待される支援策
■公営・民営共通の施設整備および運賃割引に対する公的助成に加え、民営では法規制の見直し、公営では利用者ニーズの把握が多数
求められる支援策としては、公営・民営事業者とも「施設整備に対する公的助成・低利融資」が最も多い。これに次いで、民営事業者では「船舶構造に関する法規制の見直し」「施設にかかる税の減免」「国などの最新情報の提供」「利用者ニーズの把握」があげられているのに対し、公営事業者では、法規制や国の情報提供に関する回答が少なく、「利用者ニーズの把握」に回答が集中している。
《ヒアリング調査結果》
*公的助成・低利融資
・収入の見込みがあまりない状況で設備投資をする点を考慮し、行政には補助金のシステムを構築してほしい。
・必要な支援措置として、バリアフリー施設に対する金利の減免があげられる。
・運賃制度およびハード整備についての助成制度が必要と考える。バリアフリー化を進めるにあたり、運賃割引等の制度も整備されるだろうが、日本は、運賃制度に対する行政の負担がない。例えば、身障者を5割引にすれば、減収となった5割は船会社の負担となる。割引分を負担する制度や、バリアフリー化によるデッドスペース増分に対する公的補助が必要である。
・身障者並びに知的障害者への運賃割引制度は国の施策であることから、割引した金額を行政が全額負担すべきと考える。
*法規制の見直し
・船舶関係法規との問題(安全法や鋼船構造規定など)について、法律改正を伴うものと考える。
・構造基準については、地域に応じた対応が必要である。