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3] 既存の船舶に講じたいと考えているバリアフリー措置

■段差解消、身障者用便所、通路拡幅、情報提供等が上位だが、小型船ほど難しい。対応できない部分は、人的対応でフォロー

交通バリアフリー法により、既存の船舶の「移動円滑化基準」への適合は、努力義務とされている。

そこで、既存の船舶に講じたいと考えているバリアフリー措置について聞いたところ、「戸・出入口・通路の段差解消」をあげた事業者が最も多く、「乗降用施設・通路・階段の滑りにくい仕上げ」「身障者用便所の設置」「乗降用施設・戸・通路の拡幅」「視覚情報・聴覚情報の提供設備の設置」が続いている。また、大規模な改造を伴わず、最小限のコスト負担でできる範囲を対応し、対応できない部分については、接客態度の向上など人的な対応を行いたいという意見があげられている。

 

図3-2-16 既存の船舶に講じたいと考えているバリアフリー措置(複数回答n=31)

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《ヒアリング調査結果》

・既存船舶については、改造するだけの予算はないが、コーミング段差等をなくすためのスロープ等の設置や接客態度等で対応していきたい。

・在来船の努力規定部分については、新造船に準じるとはいえなくても、車いすの専用スペースの確保、トイレの入り口など出来る範囲で検討したい。多少の定員の見直しをしてスペースを確保することなどは可能だが、食堂や売店等へのアプローチになると大改造となり、整備が難しい。次の定期点検を目処に整備を進めたい。対応が難しい部分は人的なフォローを行う。

・バリアフリー化の必要性は十分認識しているが、現状船での対応は困難である。定員を削減させた上に、特に小規模船舶では、エレベーターなどの設備の設置、メンテナンスに負担がかかる。手すりを追加する程度が限界である。

・既存の船舶については、最小限のコストで有効な設備を考えたいが、現状では抜本的な対応は不可能である。

・既存の船舶のバリアフリー化は、特に、補助航路では難しい。現在の船舶安全法の規定もかえって制約となる。

 

 

 

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