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《アンケート調査結果(自由回答)》

*高齢者や身体障害者の利用する通路、客室、遊歩甲板の大幅な改造をするため多額の費用が必要である。又、大幅な改造期間が必要になる。(黒島旅客船)

*電動車いすは重量が100kgを超えており、乗船の際4〜5名で対応している。(安田産業汽船)

*運河船等小型船の舷門付近の拡幅が必要である。(ハウステンボス)

 

《ヒアリング調査結果》

・コーミングハイトが最大の問題である。1階でも610mmあるが、スロープをつくるスペースはとれない現状である。フェリー船室は上方に位置するため、乗船口から客室まで2階分上がらければならない。1階部分に部屋を設置できるスペースがない。(西海沿岸商船)

・車いす専用の部屋がなく、車止め等設置を検討する際に、通路側がよいのか客室内がよいのか、またどの座席部にしたらよいのか、判断つきかねる。車いすの方の介助にあたり、通路幅が狭いために客に被害がないか心配である。以前、車いすが壊れたことがある。(九州郵船)

・身障者団体などから問い合わせがあるのだが、船舶内の車いす対応に限界があるため、結果的に大勢での利用を制限している。身障者用のトイレも船や港によって対応している場合とできていない場合があるため、統一的な対応がとれない。(九州郵船)

・ボーディングブリッジ・エレベーター等がついていない港湾で、車いすごとか身障者を背負って上下船する際、船内・ターミナル内は階段が多く、狭い場所で危険度も高い。(九州郵船)

・福江は、車の出入りと人の出入りが一緒になっており、安全面から問題と考える。(五島旅客船)

 

3) その他の問題点

その他、バリアフリー化に伴う費用負担や小型船舶における定員減少などの問題点が指摘されている。

 

《アンケート調査結果(自由回答)》

*フェリーにおいて、使用桟橋と岸壁では乗降時の段差に誤差を生じる。(五島旅客船)

*各船舶に身障者用トイレの設置が困難であるので、各ターミナルに身障者用トイレの設置を市町に要望している。(鷹島汽船)

*待合室、桟橋の乗船下船の場所、その他船舶等の改造には多額な費用になると思う。(黒島旅客船)

*小型船舶において構造・設備のバリアフリー化は定員減少となって困難である。(瀬川汽船)

*船内階段のバリアフリー化が必要である。(ハウステンボス)

*船体自身の構造上の問題があり、バリアフリー化に即対応するのは困難である。(大瀬戸町)

*船舶構造規定によりコーミング高さが250mm以上とされている(沿海区域)。設計時に造船所側のバリアフリー対策がなされていない。(五島産業汽船)

 

(7) 今後のバリアフリー化への対応

1] バリアフリー化に期待される効果

■高齢者等の生活の向上に加え、信頼性向上や需要拡大といった営業面からの期待もあり

アンケート調査結果では、バリアフリー化に期待される効果として、「高齢者・身障者などの生活の利便性・安全性の向上」をあげる事業者が最も多く、次いで「自社航路の信頼性・競争力の向上」があげられている。

 

 

 

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