日本財団 図書館


バリアフリー化への対応に重点を置いた「ニューたいよう」では、舷門・出入口の段差解消、身障者用便所の設置、車いすスペース・身障者用対応客席の設置、警告ブロック・点字案内板の設置といった対応が行われている。

 

(5) バリアフリー化に関するソフト面での対応

1] ソフト面での対応状況

■施設の対応が不十分なため、従業員(乗組員・地上要員)による個別対応が基本

アンケート調査結果では、約半数の事業者が「乗組員の補助」と回答しており、身障者、高齢者へ個別の対応を行われている。

 

■ターミナルへの車いすの配置

3事業者(九州商船、九州郵船、佐世保市交通局)において、ターミナルへ車いすを設置していることが確認できた。

 

《ヒアリング調査結果》

・長崎港および佐世保港のターミナルに車いすを準備してある。基本的には、乗船前にターミナルでの利用を想定しているが、そのまま乗船し、着席までの利用も可能である。下船後、目的地のターミナルにも車いすがあるので、着席後に車いすはターミナル内に引き上げる。これはバリアフリー対応というよりはむしろサービス改善の一環で実施してきたものである。窓口にも利用可能な旨掲示してある。介助が必要な場合はスタッフが対応可能である。(九州商船)

・博多港、壱岐(郷ノ浦、芦辺港)、対馬(厳原港)には車いすが備えてある。車いすを借りる方はタクシーまたは自家用車で港まで来て、事前に申し込むか、当日窓口で申し込んで利用する。申し出があれば、下船港でも用意している。(九州郵船)

 

■歩行不自由者等の優先乗船

高齢者や身障者等に対する優先乗船は、余裕を持って乗船でき、確実に着席できるといった効果があることから、少なくとも5事業者(九州商船、九州郵船、黄島海運、島原鉄道、郷ノ浦町)において実施されている。

 

《ヒアリング調査結果》

・定員500人の船でも、座席数は250程度しかないので、博多港、厳原港においては、歩行不自由な方には10年以上前から、付き添いの方とともに、優先的に先に乗船してもらっている。放送やメガホンによって呼びかけ、周囲の方の理解を促すようにしている。(九州郵船)

・身障者や高齢者は、現場のスタッフが、一般の乗客よりも早く船内に案内するようにしている。長崎港の場合、ボーディングブリッジが長いので、船内の掃除よりも前に高齢者の方などは船内にご案内し、掃除中ではあるが先に着席していただいている。(九州商船)

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION