また、船内の段差解消が図られている船舶は、ほとんどない。
垂直移動については、度島〜平戸航路の船舶に唯一、階段昇降機が設備されている。
《アンケート調査結果(自由回答)》
*車両甲板から客室までの手すり設置をしてある。(黒島旅客船)
*両港とも船の遊歩甲板〜ターミナル出口間はスロープあるいはエレベーターを使用し車いすで移動できる。(有明海自動車航送船組合)
4) 着席
■大型船では車いす設置スペース・優先席の確保事例あり
車いすスペースや優先席は、博多〜壱岐〜対馬航路や福江〜青方〜博多航路の本土離島間の大型船にのみ、確保している船舶がみられる。身障者用対応客席の設置例はない。
《ヒアリング調査結果》
・10年前よりフェリー2等客室の一部に車止めを設置し、車いすを置けるようにしている。また、乗船中は車いすから降りて座れるように優先席を2人分確保している。(博多〜壱岐〜対馬航路)
5) 副次的行程
■便所については、洋式便所の設置以外全く未対応。遊歩甲板の段差解消は大型船のみ
身障者用便所の設置例はなく、便所の段差解消や点字案内などもほとんど対応できていない。洋式便所が設置されているフェリーは約1/4である。
遊歩甲板は一部の船舶で十分な出入口幅員確保や段差解消が行われているが、段差解消は700トン以上のフェリーに限られている。
休憩スペースは、200トン以上のフェリーの3割以上で設置されている。
《ヒアリング調査結果》
・フェリーの1階に休憩室を設けており、乗船された高齢者などが階段を上らずにすむようにし、実際に利用されている。(友住〜平島〜江嶌〜崎戸〜佐世保航路)
6) 案内
■視覚・聴覚による情報案内はほとんど未対応
視覚や聴覚による情報提供・案内表示はほとんど行われていない。
7) 車両区域
■車両区域の段差解消もほとんど未対応
フェリーの車両区域においては、200トン以上の半数以上では通路・出入口幅は確保されているが、段差解消や身障者等乗降位置の幅については、対応済の船舶はごくわずかにとどまっている。