1) 乗降用施設
■多くの寄港地ではタラップを使用しているが、十分な通路幅員、段差解消が図られているものは少ない
アンケートに回答のあった事業者の寄港地のうち、ボーディングブリッジが設置されている港湾は、表3-2-6に示すとおりである。そのバリアフリー化の状況については、港湾についての記述(表3-3-4)の中で述べる。
上記以外のほとんどの寄港地は、タラップによる乗降となっている。タラップについては、手すりはほとんどの港湾で設置されているが、通路幅員が80cm以上確保されているのは32%、段差が解消されているのは12%にとどまっており、車いす利用者などは、係員が背負ったり、抱きかかえたりして現場で個別対応している。
一部の航路・港湾では、乗客の乗降にランプウェイが使用されているが、その多くは小型のフェリーである。
2) 出入口
■コーミング段差の解消率は約1/4
舷門幅や出入口幅は、概ね大型船ほど幅員が広く、タラップと比較すると80cm以上確保されているものが多い。コーミング段差についてもタラップの段差より解消されている比率がやや高いものの、全体の約1/4にとどまっている。
3) 船内移動
■小型船では十分な通路幅が確保されておらず、段差解消は大型船も含めて未対応
船内の通路幅は、概ね大型船ほど幅員が広く、700トン以上のフェリーでは7隻中6隻で80cm以上確保されているが、199トン以下では10隻中4隻にとどまる。