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図2-3-6 海洋の一次生産分布;単位はmgC/m2・day

 

b. 生態系内での生物的役割:生物生息機能

サンゴ礁はたくさんの生物にとっての産卵や、保育や、育成や餌を食べるエリアとして重要な機能を有している。サンゴ礁は極めてたくさんの生物多様性や遺伝子の保存場所を維持する上で次世代にとって重要である。複雑な三次元構造によるきわめて高い生物生息地として、60,000種以上のリーフに生きる動物や植物が記載されている。

c. 生態系間の生物的役割:生態系の連結機能

いくつかのサンゴ礁の生物は隣接する生態系を行ったり来たりする。そのような2つの生態系を結んでいる例として、マングローブと海草場を移動してそれらを保育場として利用する魚があげられる。リーフからくる草食性の魚とウニは海草場へ食事のために移動してそこの植物群集構造に影響を与えるとともに、人間だけでなく他のシステムにおける捕食者の餌となる。移動に伴う結果は、採食や成長が起こり、成魚等の隠れ場となるシステムからエネルギーの移動である。これに加えて、多くのリーフ生物の深海における幼生時代は、これらの隣接する生態系に移動し、商業的に重要な魚の食物源になり、それらの魚は漁業者によって漁獲されるまでに定着し成熟する。

 

 

 

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