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(2)宍塚大池(茨城県土浦市)/<写真III-3〜4参照

・調査日:2000年7月30日

・参加者:木内正敏、池谷文夫、三上晃朗、早川直美

・応対者:宍塚大池の自然と歴史の会/及川ひろみ氏、安部きよ子氏

1] 宍塚大池の概要

a. 宍塚大池は都心から約60km、JR常磐線土浦駅の西側4kmほどに位置する。宍塚大池の西側には筑波市天王池地区の緑地が一帯となって広がるが、両市境に位置する常磐自動車道が緑地を分断している。

b. 国土庁の業務核都市計画の一環として土浦市と筑波市によって開発計画が立てられた。この開発計画は、宍塚地区(土浦市)147haと天王池地区(筑波市)87haの合わせて234haに区画整理事業で業務の核となる施設と住宅地を建設する計画であったが、10年たった現在開発計画に進展は見られていない。

c. 宍塚大池は谷戸を塞ぎ止めた溜め池、大池(水面積3.3ha、水深2m以下)を中心に約100haの林が取り囲む丘陵地。丘陵地といっても平坦で、周囲の平地との高低差は20mほどしかない。

d. 里山の自然

・植物は、約700種確認されており、オニバス等絶滅危倶種の生育は貴重である。

・鳥類は、ワシタカ類10種を含む143種が確認されており、近年まで良好な里山を象徴するタカ、サシバが繁殖していたという。

・昆虫の確認種数は定かではないが、チョウ類は62種。

・大池から流れ出る小川では、マシジミが捕れる一方、在来の生態系を乱すことで悪名の高いブラックバス、ブルーギル、ウシガエル等の水生帰化動物も多い。

e. 文化財

上高津貝塚(国指定史蹟)、宍塚古墳群をはじめ旧石器時代後期(1万数千年前)から縄文、弥生、古墳、奈良平安、各時代の遺跡がそろっている。

2] 宍塚の自然と歴史の会

a. 会員数約560名、年会費1,500円、毎月会報(五斗蒔だより)を発行

b. 宍塚の自然と歴史の会設立の経緯

・1980年野鳥を主とした自然観察会が生まれ、1987年まで断続的に活動

・1987年11月から土曜自然観察会(シエラカップの会)開始

・1990年9月宍塚の自然と歴史の会発足

c. 活動の概要

宍塚の自然と歴史の会は、さまざまな分野で精力的に活動している。週に一度は必ずと言っていいほど何らかの活動が行われているという。以下に活動の一部を挙げたが、このような活動を推進するリーダー的人材は20名ほど、リーダーを支えるスタッフは100名を超えるとのことであった。

 

 

 

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