・家の裏山が狭山丘陵の麓だから、裏山を掃いている。松葉が多いから掃きやすいし、堆肥にするとき熱がよく出て、いい堆肥になる(武蔵村山市奈良橋地区)
・北山公園の近くに所有するヤマが3反ある。そのうち1反を今でも掃く。落ち葉が落ちると下草を刈り、暮れ内に掃いてしまう。今でもさつま芋を作っているのでどうしても落ち葉は床づくりに必要。以前は下草を刈り取って正月明けまで落ち葉を掃かなかったが、最近ではすぐに掃く。すぐに掃かないと、最近は家庭菜園をやってる人が、きれいに管理しているから公園だと思って休みの日に掃いていってしまう。公園用地として買収されたヤマは下草も刈ってないから、かえってヤマとしては掃き難い。(武蔵村山市廻田地区)
・住宅などの開発が進み、自分たちが持っていた平地林も相続税対策などで売却せざるを得なくなったが、堆肥やさつま芋の床づくりのためには、どうしても落ち葉が必要で、水道局が開放してくれるとヤマ掃きに行かせてもらった。多摩湖まではずいぶん遠いが、なくちゃ畑がだめになるから掃かせてもらいに行った。(東村山市久米川地区)
・前は自分の畑の地先にヤマ(平地林)があったからそこを掃いていたが、開発が進んでヤマがなくなっちゃったので、ウチでは埼玉県の越生町にヤマを買って、そこにヤマ掃きにいっていた。さつま芋を本格的にやっていたころはわざわざいったが、今は行ってない。丘陵を掃くのは斜面なので掃きにくいし、もう若くないから無理はできない。もしも、落ち葉がもらえたり、手伝ってくれる人がいるのなら今でも使いたい。(東村山市久米川地区)
b. 薪炭材としての活用
薪への用途としてのヤマの切り出しは聞くことが出来たが、炭を焼く話は今回聞くことができなかった。また今回聞き取りした話者は比較的早くヤマを手放しており、ヤマの木を切り出した経験が少ない人たちが多かったようにも思える。
・自分のところで持っていた丘陵の木を戦後すぐのころ切り出したことがある。以来切ったことはないし、現在はヤマを持っていない。(所沢市三ヶ島地区)
・丘陵に持っていたヤマの枯れ枝や倒木で自分の家の焚き付けは間に合った。ヤマの木を切るのは山師に頼んだ。薪として高く買っていった。いくらで売ったかは忘れた。しいたけをやりたいという人がいて、丘陵のナラの木を切らせた事がある。(武蔵村山市奈良橋地区)
・養蚕をやっていた頃、かんたんな穴を掘って炭を焼いたことがあったと聞く。(武蔵村山市中藤)