所沢市の市域のうち、市街化区域は2,749ha(市全面積の約38%)で、市街化調整区域は4,450ha(約62%)である。市域が広いこともあるが、狭山丘陵周辺市町では最大の市街化地域を持つ。市街化調整区域に広がる農地もかなりの広がりがある。ここでは市街化区域内の農地と調整区域内の農地の区分はできないが、農地は平成7年段階の資料で176,681a(約1,767ha)である。後にも述べるが、所沢市はただ面積が広大であるばかりでなく、県南の都心に近い利便性もあって人口の増大化をみたのであるが、そうした開発の激しさがあるにもかかわらず農業生産力の面でも埼玉県内有数の農業力を誇っている。生産量県内1位2位といった上位に位置する作物も数多い。
市域が広く比較対象になりにくいので、狭山丘陵に接した旧三ヶ島村、現在の三ヶ島地区の世帯数・人口、農家数を表出してみた。平成11年末の人口は43,684人(世帯数15,732戸)となる。農家戸数は昭和55年2月段階では2,542戸(専業569戸・農業を主とする兼業510戸・農業を従とする農家1,463戸)となっていたが、平成7年2月段階では農家総数459戸(専業農家33戸、農業を主とする兼業農家58戸、農業を従とする兼業農家368戸)となる。
三ヶ島地区での市街化の進行は、西武線狭山ヶ丘駅付近の東狭山ヶ丘、西狭山ヶ丘地区がもっとも激しく、その隣接地和ヶ原地区がそれに続く。旧来の三ヶ島、村の中心域やその隣接地区の林地区でも部分的に市街化され人口が急増しているが、比較的狭山丘陵の北麓に近い付近の開発は少なく、農業を専業または主たる兼業として行う農家も多い。むしろ、山口地区の方が開発は激しい。丘陵の内部の狭山湖堰堤下の谷状の地域には平成11年末の資料によれば人口29,290人(世帯数10,323戸)が密集する。かつては谷間に農地を見ることがあったが、現在では、所々に数アール程度の農地を見いだすのがようやくのことである。
・入間市の農業環境の現況
入間市は昭和41年11月1日に人口46,234人(面積3,969ha)で市制を施行した。その後昭和42年4月1日に西武町が入間市に編入し人口55,158人(面積4,483ha、その後調査により4,474ha)の大規模な自治体として誕生した。平成11年1月1日現在の人口は148,373人(世帯数49,892軒)である。人口を、狭山丘陵周辺の市町と比較して見ると、東村山市とほぼ同じであるが、面積でみると東村山市の約2.5倍となる。市域内に米軍に接収された入間基地が存在するものの、比較的空間地がある。市街化区域は1568.4ha,市街化調整区域は2905.6haである。農地は市街化、市街化調整両地区併せて898.47haに及ぶ。かつて昭和45年には1539.6haの農地があったが、25年間に約2分の1に減少した。