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図I-3-1 狭山丘陵の地形と河川

 

そのために、これらの浸食谷によって、丘陵は東西に走る三つの支丘に分かれ、それらの間の二つの谷のうち、北側の谷は柳瀬川をせき止めて山口貯水池(狭山湖)が、南側の谷の宅部川(北川、または後川)の流れによる浸食谷をせき止めて村山貯水池(多摩湖)が造られている。

2] 丘陵の地質(図I-3-2)

狭山丘陵は、おもに下部を構成する狭山層群と呼ばれる下部〜中部更新統に属する海成層と、河成層の芋窪礫層、関東ローム層、特に多摩ローム層からなっている。

狭山層群は、丘陵の主体となる地層群で、礫・砂・シルトの互層からなっている。この層は下位から三ツ木礫層、谷ツ粘土層に区分され、三ツ木礫層は層厚約50mに達する礫・砂・シルト〜粘土からなる地層である。谷ツ粘土層は、層厚約15mに達する灰白色の微粒シルト〜粘土からなり、雲母片を含む地層である。全体的には三ツ木礫層の上位に位置しているが、しばしば砂質〜砂質細礫質となって水平的に三ツ木礫層に移行することがあるため、三ツ木礫層との境界が不明瞭である。

芋窪礫層は、層厚約9〜12mに達する粒径約50〜100mmの風化著しい円磨〜亜円礫からなる古多摩川系の河成堆積層である。礫層中の礫は、おもに砂岩、粘板岩、泥岩、チャートなどからなり、チャート以外はほとんど風化が進みくさり礫となっている。

 

 

 

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