第4編 バックホウ浚渫船設計基準
第1章 総説
1.1 目的
本基準は、バックホウ浚渫船の計画、設計に関する一般的な基準を定め、設計の合理化を図ることを目的とする。
〔解説〕
港湾、河川等の維持・整備等を目的とした浚渫作業に供されるバックホウ浚渫船は比較的新しい作業船であるが、陸上用バックホウ掘削機械の普及に伴い、これが汎用性を有することから、比較的浅い水域での浚渫作業ではグラブ浚渫船に代わる機種として、更には大型バックホウ掘削機械の出現に伴い硬土盤の浚渫作業ではディッパー浚渫船に代わる機種として多用されている。
浚渫土質を分類し、グラブ浚渫船及びバックホウ浚渫船それぞれの適応範囲は、一般的には(表1-1)のようになる。
これまでバックホウ浚渫船の建造においては、専用の設計基準がないため、グラブ浚渫船及びディッパー浚渫船の設計基準をべースにして計画、設計作業がなされたものと思われるが、このような現状を改善し設計の合理化を進め、かつ設計上の諸問題を適切に処理できるようにすることを目的として、用語・名称の統一、関連法規との関係、浚渫装置及び船体構造・艤装品等について基準化するものである。
なお、本基準の中に引用してあるバックホウ掘削機械の仕様は参考データであり、実際のバックホウ浚渫船の計画においては、バックホウ製造者に最新の仕様を確認して頂きたい。