この方式の特徴は次のとおりである。
1] 可逆運転を含む広範囲な速度制御
2] 直流発電機を必要としないので、電源が共通化でき、また、保守も容易になる。
3] ワードレオナードに比較し、効率がよい。
4] 交流電源に波形歪みを生じるので、その対策を必要とする。
以上の特徴を活かし、スイングウィンチ、スパッドウインチ等へは界磁切換方式、もしくは一方向制御で適用され、クレーン等へは逆並列接続での適用がなされる。
(c) 交流電動機の速度制御
(i) 一次周波数制御
1) 原理
交流電動機の回転数をn(rpm)、周波数をf(Hz)、極数をP、すべりをSとすると、n=120 f(1-S)/Pで表される。
一次周波数制御は電動機の入力周波数を変化させ、回転数を制御する方式である。
周波数を変化させた場合、周波数の低下に概略比例して励磁電流が増加して電動機の加熱原因になるので、これを避けるために電源電圧Vと周波数fをV/f=一定となるように制御する必要がある。
制御素子にはトランジスタが使用され、トランジスタは電圧の高いものの製作が困難な点があるので現状では400kW程度のものまでに適用される。
2) インバータ方式
交流入力をいったん直流に変換し、この直流を入力としてインバータを動作させ、出力周波数を制御する。