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(3) 排水量に対する修正

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幅(B)

旋回式起重機船においては、Bを基本としてL、B、D、dを計画する。これは起重機船は波浪による動揺もあり、重量物を取り扱う作業の性質上、特に作業者の安全を考え、横傾斜角を重要視するためである。

(B)が及ぼす影響としては、

1) 船体横傾斜角

2) 自航式の場合は推進抵抗の増大、航行の際の針路の不安定があるが、航行は第二義的に考える。

 

長さ(L)

Lについては、計算過程では切り捨ては行わず、切り上げとしないと乾舷不足をきたす場合がある。ジブ固定式起重機船ではLを基準としてB、D、dを決定するが、Lが及ぽす影響としては、

1) トリムの変動が小さくなる

2) 一般配置が楽になる

3) 自航式とした場合は排水量一定ならば、速力が大きくなる、保針性が良い

がある。また反面、

1) 船体の変曲を考え縦強度材が増嵩(減少)する

2) 旋回半径が大きくなり、狭隘な海域では使用しにくい

 

深さ(D)及び喫水(d)

起重機船の作業海域の事情により、乾舷を特に大きくしたい場合(標準的にはd/D=0.55として一応計画する式である)はDだけを後で大きくする。この場合KGは当初より大きくなるが。LGMに比較して少ないので、トリムには大きな影響はないと考える。Dの影響としては、

1) 船体の縦のIを増し、構成材の一寸法は小さくてすむ(実際には原動機の高さの関係から深くなっている)

2) 凌波性が増大する。

喫水(d)はほぼd/D=1/2程度であるが、吊り能力の大きな起重機船はd/Dは大きくなる傾向である。

 

 

 

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