日本財団 図書館


第4章 船体部

4.1 船体形状

非自航起重機船の船体形状は箱型が標準である。

 

〔解説〕

船体の形状及び材質は、安定性、建造・修理時の経済性により一般に鋼製箱形で建造されている。

船体の横傾斜角が小さく、船体の大きさの割に喫水が小さく、大きな荷重にも安定性が大きい。航走時船体水抵抗は大きいが、作業時の安定性が優先し、港湾工事用起重機船として支障はない。

船体四隅に少量の丸みを付け、船底にカットアップを付けることは行われるが、その量は荷重の吊り上げ時のトリムや復原性を考慮して決定する必要がある。

 

4.2 船体の安定性

4.2.1 起重機船の安定度

起重機船は、静穏な水面で定格荷重に相当する荷重を吊った状態において、転倒端に置ける乾舷(上甲板から水面までの垂直距離をいう。)が、0.3m以上となるものでなければならない。

 

059-1.gif

 

〔解説〕

(1) 「静穏な水面」とは、波立たない平水面をいう。

(2) 「乾舷」とは、右図に示す距離をいう。

(3) 移動式クレーン構造規格第15条(浮クレーンの安定度)は、起重機船の安定度について以上のとおり規定している。

(4) 移動式クレーンの荷重試験及び安定度試験について、クレーン等安全規則第3章移動式クレーン第55条に以下のとおり規定されている。

(a) 荷重試験は、移動式クレーンに定格荷重の1.25倍に相当する荷重(定格荷重が200トンをこえる場合は、定格荷重に50トンを加えた荷重)の荷を吊って、吊り上げ、旋回、走行等の作動を行うものとする。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION