3.4 揚程
(1) 揚程は、定格荷重を吊った状態で表示し、定格荷重の10%荷重を吊った状態を( )書きで付記する。
(2) 揚程は、定格荷重吊り上げ用ブームを使用した場合の最大荷重吊り上時の水面からフック中心までの垂直距離をいう。
(3) 定格荷重の10%を吊った状態の揚程は、標準ブームを使用した場合の定格荷重の10%荷重吊り上げ時の水面からフック中心までの垂直距離をいう。
(4) 揚程の巻上荷重に対する関係は図3.4-1を参照する。
〔解説〕
起重機船においては、揚程はアウトリーチとともに船体傾斜のため、荷重吊り上げ時と非吊り上げ時とでは異なり、またバラストや載荷の状態によっても相違するが、揚程はアウトリーチの大きさとともに吊り上げ得る荷重の大きさや、作業範囲を決定する重要な値である。
作業上必要とする揚程は、アウトリーチの大きさとともに吊り上げられる荷重の種類や作業内容によって相違し、また揚程を大にすると船体の重心位置も高くなり船体の大きさに影響してくる。