2.3 設計の手順
起重機船は一般に下記のような手順で計画される。
作業条件から決まる設計条件と要望の条件とを調整し、起重機部、電気部、機関部、船体部と順を追って検討を進める。
〔解説〕
起重機船の計画手順を示す。船体長さ、幅、深さ、喫水をそれぞれL、B、D、dとする。
(1) 作業条件(揚重物の種類、重量、容積、外形寸法、数量)から起重機部の能力を選定する。…(本編第3章)
(2) 作業条件(運搬距離、場所、天端高(±)、サイクルタイム)から起重機部の形式と船体部形式を決定する。…(本編第3章、第4章)
(3) 主補巻上機の速度、旋回半径及び速度、アウトリーチ…(本編第3章)
(4) 電気部、各電動機容量、発電機容量を求め、制御方式を決める。…(本編第6章)
(5) 機関部主補原動機の容量を主補発電機に見合うよう決定する。…(本編第6章)
(6) 起重機部主巻能力から船体部、幅及びL/B、B/D、d/Bを標準的に求め、一応、長さ、幅、深さ、喫水を決める。傾斜角、最小乾舷を検討する。
あるいは起重機主巻能力と船体傾斜角よりL、B、D、dを求める。…(本編第4章)
(7) 艤装部の甲板補機類、操船ウインチの大きさを求め、一般配置に繰り入れ作業甲板の広さを検討する。…(本編第4章、第5章)
(8) 機関部原動機の高さ、居住区の高さよりDを検討し居住区配置を甲板下か、甲板上かを決定する。…(本編第4章)
(9) L、B、D、dに不都合があれば修正の上船体傾斜角及び最小乾舷を検討する。…(本編第4章)