第3編 起重機船設計基準
第1章 総説
1.1 目的
本基準は港湾工事用の起重機船の計画、設計に関する一般的な基準を定め、設計の合理化を図ることを目的とする。
〔解説〕
近年わが国における経済の発展は著しいものがあり、そのためわが国の港湾構造物工事も次第に大型化、迅速化が要求され、構造物工事の中核をなす起重機船も、その重要性は広く認められている。
ところが以上のような工事要請に伴い多数建造された起重機船も、今日まで幾多の改良を重ねながらも、その設計建造において画一的なものはない。
このような現状を踏まえて、設計建造について技術水準を高度に保ちながら設計の合理化及び設計上の諸問題を誤りなく処理していくためには、その用語、名称の統一、構造・機器の標準化、など一般的基準を定め、それに基づいて設計を行うことが必要であり、これがこの基準を作成した目的である。
1.2 適用範囲
この基準は、港湾工事用起重機船に適用するものであって、次の各号に定めるところによる。
(1) 船体構造
鋼製一層甲板型にして、重量物搭載場所は重構造としているもの。
(2) 起重機構造
港湾工事用の重量物の巻上、巻下、あるいは移動ができること。
(3) 推進装置
船舶としての推進装置の有無が区別されたもの。
(4) 配置一般
起重機機構、並びにこれらの動力源、及び係船、操作装置等を装備したもの。
〔解説〕
本設計基準の作成に当たっての資料調査が上記の範囲であるので、本基準に適合しない起重機船の諸元については別個に検討しなければならない。