法第42条の九(消防機関等との関係)において、危険物の排出又は海上火災が埠頭に係留された船舶の場合は原則として消防機関が権限行使を行うこととし、それ以外の船舶(埠頭に係留中の船舶以外の海域にある船舶)については原則として海上保安庁が権限行使を行う。
法第42条の12(他の法律の適用除外)において、海上における消火活動等に必要となる権限については、海上における特殊性にかんがみ、この法律に一元的に規定することとし、海域における危険物の排出があった場合又は海上火災が発生した場合には、消防法の消防機関等の権限に関する関係規定は適用しないこととなっている。
6. 消防法
法第2条において、防火対象物は山林又は舟車、船渠若しくは埠頭に係留された船舶、建築物その他の工作物若しくはこれらに属するものをいう。なお、舟車とは、船舶安全法第2条第1項の規定の適用を受けない船舶、端舟、はしけ、被曳その他の舟及び車両をいう。
船舶安全法第二条及び船舶安全法施行規則第二条(適用除外)三により推進機関を有しない船舶は船舶安全法が適用されないことから、非自航船には消防法が適用される。
消防法施行令第6条令別表第1において、消防用設備等を設置し、維持しなければならない防火対象物に総務省令で定める舟車と規定されている。
7. 労働安全衛生法
(以下は参考・引用文献「実務に役立つ労働安全衛生法平成9年版」を参照してとりまとめた)
法第37条(製造の許可)はクレーン等の危険な作業をする機械等を製造する場合は都道府県労働基準局長の許可を受けなければならないと規定している。
本条の許可は、特定機械等の型式ごとに行われることになっており、吊り上げ荷重が3t以上の移動式クレーンが政令で定める特殊機械である。
法第38条(製造時等検査等)は、移動式クレーンについてはその性質上落成検査は行わないと規定している。
通達(昭48.3.19基発145)「浮きクレーンの船台上に設置するクレーンの取扱い」は、浮きクレーン(船舶安全法の適用を受けないもの)の船台上に船内作業用として設置されるクレーン又はデリックの製造許可は浮きクレーンでなくクレーン、デリックとして扱うと規定している。
8. クレーン等安全規則
(以下は参考・引用文献「クレーン等安全規則の解説」を参照してとりまとめた)
クレーン等安全規則(以下安規という)第1条(定義)において、移動式クレーンとは原動機を内蔵し、かつ、不特定の場所に移動させることができるクレーンをいっており、原動機が台船等に取り付けられており、水上の任意の場所に移動させることができるクレーンは移動式クレーンである。