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1] リグナムバイタ

リグナムバイタは熱帯地方に成育する自然木で自己潤滑性に優れた軸受材である。リグナムバイタは、海水に浸漬すると膨潤するので、装てん時、長手方向(軸方向)の伸びしろを考慮する必要がある。またプロペラ軸回転時リグナムバイタに含有されている樹脂分が温度の影響を受けやすいのでプロペラ軸とリグナムバイタとの摺動熱を取去るため船尾管へ積極的に給水する必要がある。

リグナムバイタは船尾管ブッシュ(青銅製)に装着する際3・18図に示すように軸受の下半部には変形がきわめてすくない木口材を、上半分には板目材を使用することが大切である。

 

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3・18図 リグナムバイタの取付要領

 

2] ゴム軸受

3・19図に示すようなゴム軸受の構造はリグナムバイタ軸受と同じである。ゴム軸受は、軸の回転が高い時、軸とゴム軸受との摩擦係数が小さいため、主機関出力の動力損失がすくなく、ゴム自体の耐摩耗性が優れていることから近年海水潤滑軸受材として普及している。プロペラ軸回転時ゴム軸受部の温度上昇は致命的な損傷につながるので冷却水の供給はリグナムバイタ以上に十分留意しなければならない。

 

 

 

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