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(1) API分類

APIとは、米国石油業界(American Petroleum Institute)の略で需要家に対し、エンジンの構造、運転条件、使用燃料油及び添加剤の種類等、油の品質全般について分類している。

APIサービス分類はガソリンエンジン用と、ディーゼルエンジン用にわかれており、それぞれの品質分類に要求されるサービス内容が明記されている。2・1表にディーゼルエンジン用のサービス内容を示す。

(2) SAE分類

SAEとは、米国自動車技術協会(Society of Automotive Engineering)の略で、エンジン油については粘度のみによる分類を制定している。

SAEでは、粘度を0W、5W、10W、15W、20W、25W、20、30、40、50、60の11種類に区分している。2・2表に代表的なもの数種に付きその性状を示す。

 

2・2表

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(注) WはWinter Gradeの意味です

 

(マルティグレードオイルについて)

低温において粘度が増加し、高温において粘度が減少すると云う油の特性が改善されて、低温でも高温においても規定された粘度を維持するという油が造られました。○○W−△△と云う油がそれです。

2・2表によれば5Wとか、10Wという油は−18℃の粘度のみ規定し、又20番とか30番と云う油は100℃の粘度のみ規定して、それ以外の温度での規定はありません。

従って2・238図に示すようにAの油も、Bの油も30番の粘度を有する油ですが、100℃以外の温度では粘度が非常に違ってきます。これに対してCの油は−18℃の時10Wの粘度を有し、温度が100℃になっても30番の粘度をもっています。このように低温、高温両方の粘度が規定値を満足し、温度の変化に対して粘度変化の少ない油を粘度指数の高い油といい、温度差の大きい地方や、温度差の大きいエンジンに適用されています。

 

 

 

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